日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Efavirenz  (2024/08/06 更新)
EFZ

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

成人用量
600mg経口24時間ごと,就寝前,食事なしで服用.
食事により血清中濃度が上昇し,副作用の危険性が増大する可能性あり.

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
新生児:使用は承認されていない
生後3カ月~<3歳,体重≧3.5kg:推奨されない(PKの変動が大きいため)
3歳以上,体重≧10kg:
体重10~<15 kg:200mg 24時間ごと
体重15~<20 kg:250mg 24時間ごと
体重20~<25 kg:300mg 24時間ごと
体重25~<32.5 kg:350mg 24時間ごと
体重32.5~<40 kg:400mg 24時間ごと
体重≧40 kg:600mg 24時間ごと
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
40~55
半減期(時間)(ESRD)
データなし
用量(腎機能正常)
600mg経口24時間ごと
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NNRTI)
剤形
カプセル:50,200mg
錠剤:600mg
食事に関する推奨(経口薬)1
カプセル/錠:食事なしで服用
経口吸収率(%)
42
Tmax(時間)
3~5
最高血清濃度2(μg/mL)
4.1(600mg24時間ごと,SS)
蛋白結合(%)
99
分布容積3(Vd)
252 L(V/F)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
40~55
排泄
代謝
細胞内半減期(T1/2, 時間)
データなし
脳脊髄液/血液5(%)
データなし
中枢神経系移行効果(CPE)6
3
AUC7(μg・時間/mL)
184 μM・時間(600mg24時間ごと,0~24時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 炎症時における脳脊髄液濃度
  6. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  7. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CY450の基質
2B6,3A4
トランスポーターの基質
  
CYP450の阻害
2B6,2C9,2C19
トランスポーターの阻害
  
CYP450誘導
2C19,3A4
トランスポーターの誘導
  
血清中薬物濃度への影響
↑または↓

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下,空白:薬物への影響なし

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アルプラゾラム
アルプラゾラム↑または↓
モニターまたは避ける
アミオダロン
EFV↑,アミオダロン↑または↓
併用を避ける
アムロジピン
アムロジピン↑または↓
モニター,用量調整
アトルバスタチン
アトルバスタチン↑または↓
モニター
カルバマゼピン
EFV↓,カルバマゼピン↑または↓
併用を避ける
クラリスロマイシン
クラリスロマイシン代謝物↑または↓,EFV↑
モニター,用量調整
シクロスポリン
シクロスポリン↑または↓
併用を避ける
デキサメタゾン
EFV↓,デキサメタゾン↑または↓
併用を避ける
エルゴタミン
エルゴタミン↑または↓
併用を避ける
フェンタニル
フェンタニル↑または↓
モニター
Fexinidazole
EFV↓
モニターまたは避ける
HIVプロテアーゼ阻害薬
抗レトロウイルス薬間の薬物相互作用参照

Ibrexafungerp
Ibrexafungerp↓
併用を避ける
イトラコナゾール
イトラコナゾール↓,EFV↑
併用を避ける
ケトコナゾール
ケトコナゾール↓,EFV↑
併用を避ける
Lenacapavir
Lenacapavir↓
併用を避ける
レテルモビル
レテルモビル↓
併用を避ける
リドカイン
リドカイン↑または↓
併用を避ける
ロバスタチン
ロバスタチン↑または↓
モニター
メフロキン
メフロキン↑または↓
併用を避ける
メサドン
メサドン↑または↓
モニター
ミダゾラム
ミダゾラム↑または↓
モニターまたは避ける
Nirmatrelvir/リトナビル
EFV↑
モニター,さらなる情報を求める
経口避妊薬
経口避妊薬↑または↓
他の避妊法を使用
PDE5阻害薬
PDE5阻害薬↑または↓
モニター,用量調整
フェノバルビタール
EFV↓,フェノバルビタール↑または↓
併用を避ける
フェニトイン
EFV↓,フェニトイン↑または↓
併用を避ける
ピモジド
ピモジド↑または↓
併用を避ける
ポサコナゾール
ポサコナゾール↓,EFV↑
併用を避ける
リファブチン
EFV↓,リファブチン↑または↓
併用を避ける
リファンピシン(体重≧50kg)
EFV↓
EFVを800mg1日1回まで増量
シロリムス
シロリムス↑または↓
併用を避ける
シンバスタチン
シンバスタチン↑または↓
モニター
セイヨウオトギリソウ
EFV↓
併用を避ける
タクロリムス
タクロリムス↑または↓
併用を避ける
トリアゾラム
トリアゾラム↑または↓
モニターまたは避ける
ベラパミル
EFV↑,ベラパミル↑または↓
併用を避ける
ボリコナゾール
ボリコナゾール↓,EFV↑
ボリコナゾールを増量,EFVは300mg24時間ごとまで減量
ワルファリン
ワルファリン↑または↓
INRをモニター,用量調整
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2024/08/06