日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ラミブジン  (2023/07/25 更新)
3TC
主な商品名:エピビル,ゼフィックス

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

肝炎の用量
100mg経口24時間ごと
HIVの用量
150mg経口1日2回または300mg経口24時間ごと

 3. 小児用量

新生児(妊娠32週以上),乳児(0~<4週間)
2mg/kg 12時間ごと
経口溶液†を使用
生後≧4週間~<3カ月
4mg/kg (最大150mg)12時間ごと
経口溶液†を使用(10mg/mL)
生後≧3カ月~年齢<3歳
5mg/kg (最大150mg)12時間ごと,
経口溶液†を使用(10mg/mL)
年齢≧3歳
5mg/kg (最大150mg)12時間ごと,
10mg/kg 24時間ごと(最大300mg)24時間ごと,
経口溶液†を使用(10mg/mL)
体重別用量:
経口溶液(10mg/mL)
体重3~<6kg:30mg12時間ごと
体重6~<10kg:40mg12時間ごと
体重10~<14kg:60mg12時間ごと
体重別用量:錠剤(≧14kgで固形剤を飲み込める場合は推奨される)
体重14~<20 kg:75mg12時間ごと(または150mg24時間ごと)
体重≧20~<25 kg:75mg 毎日午前中+150mg 毎日午後(または225mg24時間ごと)
体重≧25kg:150mg12時間ごと(または300mg24時間ごと)

†:日本にない剤形

 4. 腎障害時の用量調整

半減期
(腎機能正常/ESRD, 時間)
5~7/15~35
腎機能正常時の用量
300mg24時間ごと
調整方法
投与量の減量および投与間隔の延長
CrCl>50~90(mL/分)
300mg24時間ごと
CrCl 10~50(mL/分)
50~150mg24時間ごと
CrCl<10(mL/分)
25~50mg24時間ごと
血液透析
25~50mg24時間ごと(透析日は透析後投与)
CAPD
25~50mg24時間ごと
CRRT
初日100mg,その後50mg/日

CAPD: 持続的携行型腹膜透析
CRRT: 持続的腎代替療法

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬
PK/PD指標
データなし
剤形
錠剤(HIV用):150mg(分割),300mg,
錠剤(HBV):100mg
経口溶液†(HIV):10mg/mL
経口溶液†(HBV):5mg/mL
保存
経口溶液:室温
通常成人用量
300mg経口24時間ごと(HIV)
FDAの妊娠危険区分
C
経口剤の投与のタイミング1
錠剤/経口溶液†:食事に関係なく服用
経口吸収率2(%)
86
最高血清濃度3(μg/mL)
2.6(SS)
蛋白結合(%)
<36
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
5~7
排泄(%)

治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性5
2
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
細胞内半減期(T1/2, 時間)
18
分布容積7(Vd)
1.3 L/kg
AUC8(μg・時間/mL)
11(AUC 0-∝)(300mg経口1回)
CYP450相互作用
基質:PGP, BCRP, MATE1, MATE2-K, OCT2
Tmax(時間)9
データなし

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. 健康な状態での吸収率
  3. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
      SD:単回投与後
      SS:複数回投与後の定常状態
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 分布容積(Vd):
      V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)
      Vss:定常状態におけるVd
      Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
  9. Tmax:薬剤投与後,血漿中濃度が最大になるまでの時間

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
Trimethoprim
ラミブジンの濃度↑
モニター(用量調整不要)
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2023/07/24