日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版 |
Pseudomonas aeruginosa (2024/11/12 更新) |
臨床状況
分類
第一選択
検査結果 |
関与する状況要因 |
推奨される処方 |
コメント |
抗菌薬感受性検査結果がまだ出ていない場合,特異的な薬剤の選択が施設のβラクタム薬感受性パターンに従う,経験的治療 |
|
・PIPC/TAZ 初回4.5g(30分以上かけて)静注,その4時間後に4.5mg(4時間以上かけて)静注を開始し8時間ごとに(4時間以上かけて)繰り返す ・CAZ 2g静注8時間ごと ・CFPM 2g静注8時間ごと ・MEPM 1~2g静注8時間ごと ・CTLZ/TAZ 1.5g(1時間以上掛けて)静注(肺炎でない場合),または3g(1時間以上掛けて)静注8時間ごと(院内肺炎または人工呼吸器関連肺炎) ・重症のIgE媒介βラクタムアレルギーの場合:AZT 2g静注6時間ごと,またはCPFX 400mg静注8時間ごと,またはLVFX 750mg静注24時間ごと ・TOB 7mg/kg静注24時間ごと(第一選択ではない,重症βラクタムアレルギーの場合の選択肢,尿路感染症以外には単剤治療は推奨されない) |
重症の場合は,活性のある薬剤の少なくとも1剤は確実に投与されるように併用治療を考慮する(第二選択を参照) |
感受性検査結果が出て,in vitroで耐性の検出がない場合,単剤治療の治療選択肢 |
|
・PIPC/TAZ 4.5g静注・初回は30分以上かけて,その4時間後,4.5g4時間以上かけて静注を開始し,8時間ごとに繰り返す. ・CAZ 8g静注8時間ごと ・CFPM 2g静注12時間ごと,またはBMI≧30なら2g静注8時間ごと ・MEPM 1~2g静注8時間ごと ・重症のIgE媒介βラクタムアレルギーの場合:AZT 2g静注6時間ごと |
より重症の感染あるいはブレイクポイントに近いMICの株においては高用量MEPM3時間以上かけて静注8時間ごとの投与を考慮する CAZまたはCFPMは3時間静注使用を考慮する |
PIPC/TAZおよび/またはCAZおよび゙/またはCFPMおよび/またはAZTに耐性の株 |
ESBL(まれ)またはAmpC耐性;透過性変異 |
・MEPM 1~2g静注8時間ごと(より重症の感染あるいはブレイクポイントに近い株に対しては高用量3時間以上かけて注入8時間ごと) ・CTLZ/TAZ 1.5g1時間以上かけて静注8時間ごと(肺炎でない場合),または3g1時間以上かけて静注8時間ごと(院内肺炎または人工呼吸器関連肺炎) |
カルバペネム以外のβラクタム薬では,たとえ感受性があったとしても交差耐性が多く,MEPMまたはCTLZ/TAZのほうが好ましい. 感受性があれば,CPFX 400mg静注8時間ごと,または750mg経口12時間ごと内服 |
MEPM耐性株で,カルバペネム以外の抗緑膿菌作用があるβラクタム薬に感受性 |
耐性は,薬剤排出とカルバペネム特異的なポーリン変異の組み合わせによる可能性がある |
・PIPC/TAZ 初回4.5g30分以上かけて静注,その4時間後,4.5g4時間以上かけて静注を開始し,8時間ごとに4時間以上かけて繰り返す. ・CAZ 2g3時間以上かけて静注8時間ごと ・CFPM 2g3時間以上かけて静注8時間ごと ・重度のIgE媒介βラクタムアレルギー:AZT 2g静注6時間ごと ・CTLZ/TAZ 3g1時間以上かけて静注8時間ごと(院内肺炎または人工呼吸器関連肺炎) |
抗緑膿菌作用のあるセファロスポリン系薬およびPIPC/TAZの感受性を確認すること |
カルバペネム耐性株で,カルバペネム以外の抗緑膿菌作用があるβラクタム薬に耐性 |
CAZ/AvibactamおよびIPM/CS/RELに感受性:セリンカルバペネマーゼ産生と考えられる |
・CAZ/Avibactam 2.5g3時間以上かけて静注8時間ごと,または ・IPM/CS/REL 1.25g30分以上かけて静注6時間ごと(CrCl>90mL/分) |
耐性の特性は表現型パターンからひきだされる.正確な遺伝子型を確認するためのプローブまたは配列分析は,広く使用可能なものではない |
|
CAZ/AvibactamおよびIPM/CS/RELに耐性:メタロβラクタマーゼ産生と考えられる |
・CAZ/Avibactam 2.5g3時間以上かけて静注8時間ごと+AZT 2g3時間以上かけて静注(コメント参照) ・CFDC 2g3時間以上かけて静注8時間ごと(コメント参照) |
最適治療は知られていない.感染症専門医へのコンサルテーションが強く推奨される |
第二選択
抗微生物薬適正使用
コメント