日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

肺炎-グラム陰性菌,ICU  (2025/03/25 更新)
成人ICU患者,グラム陰性菌肺炎に対する経験的治療


臨床状況

  • 好気性グラム陰性桿菌(たとえば,グラム染色でグラム陰性桿菌)による肺炎に対する経験的治療
  • リスク因子:アルコール依存患者での壊死性肺炎,基礎疾患として慢性気管支拡張症(たとえば嚢胞性線維症)があること,長期間の気管切開,人工呼吸器,発熱性好中球減少症および肺浸潤,敗血症性ショック,基礎疾患として悪性疾患があること,臓器不全があること.

病原体

  • E. coli,その他のグラム陰性腸内細菌

第一選択

  • 市中感染の治療(可能ならばin vitroの感受性試験結果に基づいて行う)
  • CTRX 2g24時間ごと,または
  • PIPC/TAZ 4.5g静注(4時間以上かけて)8時間ごと
  • LVFX 750mg経口/静注24時間ごと,またはCPFX 400mg静注12時間ごとまたは750mg経口1日2回
  • P. aeruginosaが検出された,または疑われる場合の治療(少なくとも初期には2剤でカバー),あるいは多剤耐性菌感染の可能性がある場合
  • CFPM 2g静注12時間ごと,またはPIPC/TAZ 4.5g静注(4時間以上かけて)8時間ごと,またはMEPM 1g8時間ごと)+(LVFX 750mg静注24時間ごと,またはCPFX 400mg静注8時間ごと)
  • または
  • CFPM 2g静注12時間ごと,またはPIPC/TAZ 4.5g静注(4時間以上かけて)8時間ごと,またはMEPM 1g8時間ごと)+TOB 5mg/kg静注24時間ごと
  • Acinetobacterによる肺炎については,特異的治療の項参照.

第二選択

  • IgEが関与する重症βラクタムアレルギーの場合は,CFPM,PIPC/TAZ,MEPMに代えてAZT 2g静注6時間ごと

抗微生物薬適正使用

  • 培養および感受性検査結果に基づいてde-escalationを行い,個々の患者に応じた処方を行う
  • アミノグリコシド系薬の単剤治療は行わない.
  • in vitroの感受性検査結果に基づく単剤治療の有効性は併用治療と同等.
  • IDSAのガイドラインは,敗血症性ショックまたは高死亡率のリスク因子がある患者でのP. aeruginosaによる肺炎に対しては併用治療を推奨している(弱い推奨,エビデンスの質は低い)
  • 臨床的に安定し,改善傾向となり,経口服用が可能になれば,経口治療に切り替えてもよい.
  • 市中肺炎の治療期間は臨床反応によって決まる:
  • 無熱が48~72時間+市中肺炎に関連した臨床的不安定状態からの改善.
  • 市中肺炎では通常5~7日が有効だが,より複雑な症例ではより長期になる.
  • P. aeruginosa を除いて,人工呼吸器関連肺炎での8日治療の有効性は15日治療と同等(院内肺炎および人工呼吸器関連肺炎に関する2016年のIDSA治療ガイドライン:Clin Infect Dis 63: e61, 2016を参照).
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2025/03/24