日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

尿路感染症,急性-小児,月齢2カ月以上  (2026/06/16 更新)


臨床状況

  • 月齢2カ月以上の小児の急性尿路感染症.
  • 尿検査(UA)(白血球,白血球エステラーゼ,亜硝酸塩)異常,およびカテーテルを挿入して採取した検体での尿中病原体>5万CFU(コロニー形成単位)/mLに基づいて診断する.
  • 採尿バッグに入った尿検体の培養結果は信頼性が低く,使用すべきでない.採尿バックの検体は尿検査(UA)には使用できる.
  • 年長小児や青少年では,中間尿を確実に採取できるのであれば,その検体も許容できる可能性がある.カットオフ値は,100,000 cfu/mL以上が適切であろう.
  • 重篤感のある低年齢児では血液培養を行うこと.
  • 小児での定義は若干複雑である.
  • 言語習得前の小児での発熱を伴う尿路感染症では,上部尿路感染(腎盂腎炎)と膀胱炎の区別が困難なことがある.
  • 側腹痛,高熱または全身症状があれば,上部尿路感染の可能性がある.上部尿路疾患は年長の乳児でより多い.
  • 小児での複雑性尿路感染症は,解剖学的異常,カテーテル留置,複雑な胃腸管手術に関連して起こることがある.
  • 便秘,女性,男児での無割礼はリスク因子である.

病原体

  • カテーテル留置および複雑な胃腸管手術の患者ではPseudomonas属

第一選択

  • 重症の小児および経口治療が不可能な患者では静注治療が望ましい.経口治療も一般的には同等の効果がある.
  • 経験的治療は各施設の感受性パターンに応じて行う必要がある.
  • 経験的治療で用いられる静注治療の選択肢
  • CTRX 75~100mg/kg静注1日1回
  • CAZ 50mg/kg静注8時間ごと
  • CTX 50mg/kg静注8時間ごと(入手可能な場合)
  • 経口治療の選択肢
  • AMPC/CVA 10~15mg/kg経口8時間ごと
  • ST 6~12mg/kg/日(Trimethoprim成分として)経口12時間ごとに分割
  • CEX 50~100mg/kg/日経口8時間ごとに分割
  • CFIX 8mg/kg経口1日1回
  • CPDX-PR 10mg/kg/日12時間ごとに分割

第二選択

  • CPFX 20~30mg/kg2回に分割,最大1500mg/日まで
  • CFIX 8mg/kg経口1日1回
  • CPDX-PR 10mg/kg/日12時間ごとに分割

治療期間/抗微生物薬適正使用

治療期間
抗微生物薬適正使用
  • 新鮮な尿での尿検査が正常なら,尿路感染症を除外してもよい.
  • 無症候性細菌尿は治療しない.
  • 感受性検査結果が得られたら,狭域抗菌薬に変更する.病状が改善し,経口治療が可能になったら経口に切り替える.
  • 思春期以降の女性は成人として治療する.

コメント

  • 月齢<24カ月の小児での最初の尿路感染では,6週以内に腎超音波検査を行うこと.重症の場合はただちに行う.
  • 月齢>24カ月の小児では,尿路感染の再発または非定型感染があれば腎超音波検査を行うこと.
  • 初発の尿路感染症で,超音波検査で水腎症,重度の逆流を示唆するエビデンス,閉塞が示された場合以外には,排尿時膀胱尿道造影(VCUG)は現在ルーチンには推奨されない.
  • FDAは,年齢18歳未満の単純性尿路感染症へのCPFXの使用は承認していない(この年齢層の複雑性尿路感染症に対しては承認).
  • 診療ガイドラインと再発性尿路感染症予防を考慮するタイミングについての議論は Pediatrics 128: 595, 2011を参照.
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2026/06/15