日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

化膿性関節炎-S. aureus  (2026/09/15 更新)
S. aureusが確認された化膿性関節炎の特異的治療


臨床状況

  • 滑液中白血球>2万5千(>5万ならより確実),確定診断された化膿性関節炎.
  • 肩鎖関節または仙腸関節の化膿性関節炎で,多くはS. aureus による.
  • グラム染色で集塊状のグラム陽性球菌,および/または滑液または血液培養でのS. aureusの分離.
  • リスク因子としては,関節リウマチ,糖尿病,静注薬使用,皮膚感染症などがある.

病原体

第一選択

  • 抗菌薬治療に加えて,針吸引(必要に応じて繰り返す),関節鏡,関節切開により必ずドレナージまたはデブリドマンを行う(コメント参照).
  • 初期治療のための特異的抗菌薬治療(治療期間についてはコメントを参照)
  • MRSA:
  • VCM 15~20mg/kg静注8~12時間ごと(目標AUC24 400~600μg・h/mL達成が望ましいが[AUC-用量設定の原理と計算を参照],そうでなければトラフ値15~20μg/mLをめざす)
  • MSSA:
  • CEZ 2g静注8時間ごと

第二選択

  • MRSA:
  • DAP 6mg/kg静注24時間ごと
  • LZD 600mg静注/経口12時間ごと
  • MSSA:βラクタムへのI型過敏症または重大な有害反応歴のある患者
  • VCM 15~20mg/kg静注8~12時間ごと(目標AUC24 400~600μg・h/mL達成が望ましいが[AUC-用量設定の原理と計算を参照],そうでなければトラフ値15~20μg/mLをめざす)・2~3週
  • DAP 6mg/kg静注24時間ごと
  • LZD 600mg静注/経口12時間ごと

治療期間/抗微生物薬適正使用

抗微生物薬適正使用
  • in vitroでの感受性が確認されているなら,以下のような経口処方も可能:CLDM 600mg経口8時間ごと,または([ST 4~5mg/kg経口(トリメトプリムとして)1日2回,またはLVFX 750mg経口 1日1回]+RFP 600mg経口 24時間ごと)またはLZD 600mg経口12時間ごと,またはCEX 500mg経口6時間ごと
治療期間
  • 至適治療期間は確定していない.
  • 菌血症がない場合:ただちに臨床反応があれば2~3週治療,初期治療に引き続いて経口Step-down治療.
  • 菌血症があるが,他の合併症はない場合:4週治療,臨床的反応があれば,初期治療に引き続いて経口Step-down治療
  • MRSAまたはMSSAに対する2回投与処方は,標準的な2~4週間の静注/経口投与処方に代わる選択肢となる

コメント

  • 手関節,膝関節,股関節,肩関節などの化膿性関節炎の治療において,関節鏡下手術は少なくとも関節切開術と同等の有効性があると考えられる(Am J Sports Med 53: 2007, 2025).
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2026/09/14
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