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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
化膿性関節炎-
S. aureus
(
2025/04/15 更新
)
S. aureus
が確認された化膿性関節炎の特異的治療
臨床状況
滑液中白血球>2万5千(>5万ならより確実),確定診断された化膿性関節炎.
肩鎖関節または仙腸関節の化膿性関節炎で,多くは
S. aureus
による.
グラム染色で集塊状のグラム陽性球菌,および/または滑液または血液培養での
S. aureus
の分離.
リスク因子としては,関節リウマチ,糖尿病,静注薬使用,皮膚感染症などがある.
人工関節については,
人工関節感染
を参照.
病原体
S. aureus
第一選択
抗菌薬治療に加えて,針吸引(必要に応じて繰り返す),関節鏡,関節切開により必ずドレナージまたはデブリドマンを行う.
初期治療のための特異的抗菌薬治療(治療期間についてはコメントを参照)
MRSA:
VCM
15~20mg/kg静注8~12時間ごと
(目標AUC
24
400~600
μ
g・h/mL達成が望ましいが[
AUC-用量設定の原理と計算
を参照],そうでなければトラフ値15~20
μ
g/mLをめざす)・2~3週
MSSA:
Nafcillin
1.5~2g静注4時間ごとまたは
Oxacillin
1.5~2g静注4時間ごと・2~3週,または
Flucloxacillin
2g静注6時間ごと・2~3週間,または
CEZ
2g静注8時間ごと・2~3週
第二選択
MRSA:
DAP
6mg/kg静注24時間ごと
LZD
600mg経口または静注12時間ごと
MSSA:βラクタムへのI型過敏症または重大な有害反応歴のある患者
VCM
15~20mg/kg静注8~12時間ごと
(目標AUC
24
400~600
μ
g・h/mL達成が望ましいが[
AUC-用量設定の原理と計算
を参照],そうでなければトラフ値15~20
μ
g/mLをめざす)・
2~3週
DAP
6mg/kg静注24時間ごと
LZD
600mg経口または静注12時間ごと
抗微生物薬適正使用
in vitroでの感受性が確認されているなら,以下のような経口処方も可能:
CLDM
600mg経口8時間ごと,または([
ST
4~5mg/kg経口(トリメトプリムとして)1日2回,または
LVFX
750mg経口 1日1回]+
RFP
600mg経口 24時間ごと)または
LZD
600mg経口12時間ごと,または
CEX
500mg経口6時間ごと
コメント
菌血症を合併する化膿性関節炎患者では4週治療を考慮すること.
文献:
Curr Rheumatol Rep 15: 332, 2013
小児においてCLDMとCEXを比較したレトロスペクティブ研究では,どちらも有効性は同じであった(
Clin Microbiol Infect 18: 582, 2012
).
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2025/04/14