日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

炭疽-曝露後予防  (2024/01/23 更新)
炭疽曝露後の予防


臨床状況

  • 免疫機能正常・ワクチン未接種で炭疽菌エアロゾルに曝露した,または曝露の可能性がある場合には炭疽吸着ワクチン(AVA)(アジュバント製剤)(Cyfendus:Emergent Biosolutions)2回接種を受けなければならない(0日,14日).同時に予防的な抗菌薬治療を42日行う(下記参照).
  • PEPについて,古いAVA(非アジュバント製剤)のBiothraxでは4週間目の第3回接種は必要だが,Cyfendusならば必要ない.
  • CyfendusについてFDAが承認しているのは,曝露後予防(PEP)のみであり,曝露前予防(PrEP)ではない.
  • 備蓄されているBiothraxは,多くの国でPEP,PrEPの両方に使用される唯一の薬剤である.

病原体

  • Bacillus anthracis

第一選択

  • エアロゾル曝露が起こった可能性がある場合のPEP経験的処方
  • 妊婦を除く年齢18歳以上の健康な成人
  • CPFX 500mg経口12時間ごと,またはDOXY 10mg経口12時間ごと
  • 抗菌薬治療期間(年齢18~65歳)
  • AVA初回接種の42日後,あるいは最終接種の2週間後,どちらか遅い方
  • Cyfendus最終接種は14日目で,Biothrax最終接種は28日目
  • 曝露後のワクチン接種なしに抗菌薬治療を行う場合には60日
  • 高齢者(年齢66歳以上)および免疫不全者
  • CPFX 500mg経口12時間ごと,またはDOXY 100mg経口12時間ごと
  • 抗菌薬治療期間:ワクチン接種の有無にかかわらず60日
  • 小児に対する処方,生後≧1ヵ月~<18歳
  • CPFX 15mg/kg(最大500mg)経口12時間ごと,またはDOXY 2.2mg/kg(最大100mg)経口12時間ごと
  • 治療期間60日.AVAの使用は,炭疽曝露発生時に入手可能なデータに基づいて判断する.
  • 早産児および満産児,以下のうちのひとつ
  • 在胎32~<34週,生後0~<1週,7.5mg/kg経口12時間ごと
  • その他の場合は12.5mg/kg経口12時間ごと
  • 在胎32~<37週,5mg/kg経口12時間ごと
  • 満産児,5mg/kg経口1回,その後2.5mg/kg経口12時間ごと
  • 治療期間60日.AVAの使用は,炭疽曝露発生時に入手可能なデータに基づいて判断する.
  • 妊婦または授乳中の女性
  • CPFX 500mg経口12時間ごと,またはDOXY 100mg経口12時間ごと
  • 治療期間60日.AVAの使用は,炭疽曝露発生時に入手可能なデータに基づいて判断する.
  • 年齢18~65歳で非エアロゾル曝露(たとえば,皮膚曝露や経口摂取)があった場合の経験的処方として,PEP抗菌薬は7日間続ける必要があるが,ワクチン接種は不要.

第二選択

  • 最初に選択される薬剤
  • LVFXCLDM(年齢18歳未満,早産または満産の新生児)
  • 代替となる薬剤
  • 抗菌薬が使用できない,または適切でない場合にのみ,抗毒素がPEPに用いられる.
  • データが示すところでは,ポリクローナル抗毒素AIGIVはAVAと併用すべきでない.
  • RaxibacumabとAVAは薬物間相互作用がなく,併用できる.
  • ObiltoxaximabとAVAの併用についてのデータはない
  • どの抗毒素も単剤として使用できるが,ワクチンや抗菌薬が入手できないで抗毒素が入手できるというような場合はありそうにない.

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2024/01/22