日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Penicillin VK,Penicillin V  (2025/09/16 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介の相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
250~500mg経口1日3回または1日4回,食前および就寝時

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
25~75mg/kg/日6~8時間ごとに分割
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
0.5
半減期(時間)(ESRD)
4.1
用量(腎機能正常)
250~500mg経口6~8時間ごと
腎障害時の用量
用量調整不要
血液透析
用量調整不要
(透析後に1回以上再投与)
CAPD
用量調整不要
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形
錠剤(250,500mg)
溶液(125mg/5mL,250mg/5mL)
食事に関する推奨(経口薬)1
食事なしで服用
経口吸収率(%)
60~73
Tmax(時間)
データなし
最高血清濃度2(μg/mL)
5~6(500mg経口 SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
65
分布容積3(Vd)
データなし
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
0.5
排泄

胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
データなし
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve,0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介の相互作用

薬剤が基質となるCYP450

薬剤が基質となるトランスポーター
OAT1,OAT3
薬剤が基質となるUGT

薬剤が阻害するCYP450

薬剤が阻害するトランスポーター

薬剤が阻害するUGT

薬剤が誘導するCYP450

薬剤が誘導するトランスポーター

薬剤が誘導するUGT

血清中薬物濃度への影響
予測されない

血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度のことをいう.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他の影響)
推奨される対応
フラジオマイシン(経口)
ペニシリンの胃腸での吸収↓
併用を避ける
プロベネシド
ペニシリン↑
モニター,用量調整
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2025/09/16