日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Burkholderia cepacia  (2023/09/05 更新)
Burkholderia Pseudomonascepacia


臨床状況

  • B. cepaciaB. cenocepaciaB. multivoransほか,B cepacia complexに含まれる多数の種が同定されている(Syst Appl Microbiol 34: 87, 2011).
  • 複数の抗菌薬耐性機序があり,その表現型はさまざまのため,経験的治療の推奨が複雑となり,治療の選択肢が狭められている.

分類

  • グラム陰性桿菌
  • Burkholderia cepacia complexには複数の遺伝子型が含まれる

第一選択

  • 至適処方は明らかでなく,感受性は非常にばらつきが大きい.in vitro感受性に基づいた抗菌薬治療を行う.
  • ST(トリメトプリムとして) 8~10mg/kg/日静注6時間または8時間ごとに分割
  • LVFX 750mg静注/経口24時間ごと

第二選択

  • MINO 初回200mg静注,その後100mg静注または経口1日2回
  • MEPM 2g静注8時間ごと
  • CAZ 2g静注8時間ごと(コメント参照)

抗微生物薬適正使用

  • 第一選択と第二選択にあげた薬剤は,米国退役軍人省の血流感染株サーベイランスで比較的活性があると認められたもの(Clin Infect Dis 65: 1253, 2017)だが,in vitroの感受性はばらつきが大きい(MEPM 31%,CAZ 28%,LVFX 11%,ST 6%).

コメント

  • セリン型βラクタマーゼの活性はAvibactamにより阻害されるため,CAZ耐性を含む多剤耐性株に対し,in vitroでCAZ/Avibactamが活性を示すのは不思議ではない(ACS Infect Dis 3: 502, 2017).
  • Cefiderocolはin vitroで良好な活性をもつが(正式なCLSIブレイクポイントは設定されていない),有効性を示す臨床データは不足している.高度耐性株による感染症に対しては妥当な治療選択かもしれない(Antimicrob Agents Chemother 65: e0217120, 2021).
  • 通常はアミノグリコシド系薬に耐性で,コリスチンおよびPL-Bには自然耐性.
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2023/09/04