日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ショック-脾摘後  (2024/09/17 更新)
脾摘後の敗血症性ショック


臨床状況

  • 解剖学的または機能的無脾患者での被包性細菌による重症菌血症
  • 脾摘による解剖学的無脾.まれに,先天性無脾.
  • 機能的無脾:鎌状赤血球症による溶血性貧血,SLE血管炎
  • 無脾の確認
  • 末梢血塗抹中のHowell-Jolly小体の存在
  • 画像および/または放射線スキャン
  • しばしば重症DICのため末梢性の対称性壊疽が起こる.

病原体

  • 被包性細菌
  • イヌ咬傷後のC. canimorsus
  • Bordetella holmesia
  • 赤血球内寄生虫による重症感染
  • Plasmodium
  • Babesia

第一選択

  • イヌ咬傷歴がない場合:CTRX 2g静注24時間ごと(髄膜炎では2g12時間ごとまで増量)
  • イヌ咬傷があった場合には,C. canimorsusに対する活性を確認する必要がある:
  • PIPC/TAZ 4.5g静注初回1回,その4時間後から3.375g4時間以上かけて静注を開始し,8時間ごとに繰り返す
  • MEPM 1~2g静注8時間ごと
  • 重度のβラクタムアレルギーの場合:CLDM 900mg静注8時間ごと

第二選択

  • イヌ咬傷歴がない場合:LVFX 750mgまたはMFLX†400mg静注24時間ごと

(†:日本にない剤形)

抗微生物薬適正使用

  • Capnocytophaga分離株の約50%がフルオロキノロン系薬に耐性.
  • AZT,フルオロキノロン系薬およびSTは,活性が低い,あるいは一定しない.

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2024/09/17