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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
Mycobacterium chelonae
(
2023/04/18 更新
)
非結核性抗酸菌
臨床状況
非結核性抗酸菌,迅速発育菌.
創傷,皮膚,軟部組織感染の原因菌で,特に免疫不全患者では播種性感染,肺感染を引き起こす.
感染は美容外科手術(
Int J Infect Dis 63: 1, 2017
),タトゥー(
MMWR 61: 653, 2012
)に関連している.
専門医へのコンサルテーションが強く推奨される.
病原体
Mycobacterium chelonae
(
M. abscessus
との鑑別のための同定が必要)
第一選択
治療は感受性検査結果に基づく(活性の可能性がある薬剤についてはコメント参照)
皮膚感染:
CAM
500mg経口1日2回・6カ月+コメントにあげた他の活性のある薬剤・4~6週
重症の皮膚,軟部組織,骨感染,播種性感染,免疫不全者での感染:最初の2~8週あるいはそれ以上,次の2剤併用療法(より重症の感染では3剤併用を考慮する)を行う:
CAM
500mg経口1日2回+
TOB
5mg/kg静注1日1回±コメントにあげた薬剤から1剤を追加
次いで
CAM
500mg経口1日2回+可能ならば分離株が感受性のある経口薬を1剤追加し,最低6カ月の治療を完遂する,より重症の皮膚および軟部組織感染,骨感染,播種性疾患では12カ月まで,肺疾患では培養陰性となった後12カ月治療する
第二選択
CAMに代えて
AZM
500mg1日1回を用いてもよいが,CAMの方が活性が高い
TOBに代えて
AMK
10~15mg/kg静注1日1回を用いてもよい
コメント
文献:
Lancet Infect Dis 22: e178, 2022
.
M. chelonae
に対する活性の可能性がある薬剤とその用量(MICが感受性または中等度耐性となる株のおおよその割合)
AMK
10~15mg/kg静注1日1回(58~100%)
CAM
500mg経口1日2回(92~100%)
CLF
100~200mg1日1回
DOXY
100mg経口1日2回(25%)
IPM/CS
1g静注1日2回(8~50%)
LVFX
500mg静注/経口1日1回(0~50%)
LZD
300~600mg静注/経口1日1回(50~100%)
MFLX
400mg経口1日1回(0~50%)
Omadacycline
100mg静注1日1回または300mg経口1日1回(ブレイクポイントは確立されていない,MIC90=0.25μg/mL(
Antimicrob Agents Chemother 63: e02522-18, 2019
)
TZD
200mg経口1日1回(ブレイクポイントは確立されていない,MIC90=2μg/mL)
TGC
50mg静注1日2回(ブレイクポイントは確立されていない,MIC90=0.125μg/mL)(
J Antimicrob Chemother 69: 1945, 2014
)
文献:
J infect Chemother 25: 117, 2019
;
J Clin Microbiol 55: 1747, 2017
;
BMC Infect Dis 17: 197, 2017
;
Int J Antimicrob Agents 21: 585, 2003
;
Antimicrob Agents Chemother 36: 180, 1992
.
M. chelonae
に対して活性のない薬剤
Cefoxitin
MEPM
ST
膿瘍や広範な病変(可能な場合)では,異物を除去し外科的切除を行う.
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2023/04/18