日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

骨髄炎-末梢循環不全を伴う  (2024/07/02 更新)
隣接する感染巣からの二次的な骨髄炎,末梢循環不全を伴う


臨床状況

  • 末梢神経障害および感染性皮膚潰瘍を合併する糖尿病
  • 末梢血管疾患
  • 診断
  • 潰瘍>2 cm2で,探索子が骨まで達し,ESR>70,および単純X線所見異常であれば,骨髄炎の可能性大(JAMA 299: 806, 2008).

病原体

  • 嫌気性菌(グラム陽性およびグラム陰性)
  • グラム陰性桿菌
  • 複数菌

第一選択

  • 潰瘍部位をデブリドマンし,組織学的検査・培養のための骨生検を行う.
  • 培養結果に基づき抗菌薬を選択し,切除なしの感染骨であれば,6週間治療.一方,感染骨が根治的に切除されれば,2~5日治療.
  • 培養結果を待つ間は経験的治療を行う(急性患者でない限り経験的治療は推奨されない).
  • VCM 15~20mg/kg静注8~12時間ごと(目標AUC24 400~600μg・h/mL達成が望ましいが[AUC-用量設定の原理と計算を参照],そうでなければトラフ値15~20μg/mLをめざす)+Ertapenem 1g24時間ごと,または
  • VCM 同上+MFLX 400mg静注/経口1日1回
  • 可能なら血行再建.

第二選択

抗微生物薬適正使用

  • 微生物学的検査の結果を最大限に得るために,可能なら培養検体を得る前の経験的治療は避ける.
  • 微生物学的データに基づきde-escalationと処方の調整を行う.

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2024/07/01