日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Staphylococcus lugdunensis  (2024/07/16 更新)


臨床状況

  • 培養で本菌が分離される.
  • S. lugdunensisの集塊因子がS. aureus同定に用いられるラテックス凝集試験に反応するため,S. aureusと混同されることがある.
  • コアグラーゼ陰性菌だが,感染の重症度は S. aureusに似ており,心内膜炎,血管カテーテル関連血流感染,骨および関節,皮膚および軟部組織の感染を引き起こす.

分類

  • 集塊をなすグラム陽性球菌

第一選択

Methicillin感受性株
  • βラクタマーゼ陰性株の場合:PCG 200万単位静注4時間ごと
Methicillin耐性株または重症βラクタムアレルギーの場合
  • VCM 15~20mg/kg静注8~12時間ごと(目標AUC24 400~600μg・h/mL達成が望ましいが[AUC-用量設定の原理と計算参照],そうでなければトラフ値15~20μg/mLを目標とする)またはDAP 10mg/kg静注24時間ごと

第二選択

  • CEZ 2g静注8時間ごと(Methicillin感受性株)

コメント

  • 治療は他のStaphylococcos感染と同様であり,治療期間は重症度と感染部位による.
  • 約75%がペニシリン感受性であり,Methicillin耐性率は歴史的には低く約5%だが,増加しつつあるのかもしれない.
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2024/07/16