日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

感染性心内膜炎-コアグラーゼ陰性Staphylococcus  (2020/9/15 更新)
コアグラーゼ陰性Staphylococcusによる人工弁心内膜炎の特異的治療


臨床状況

  • コアグラーゼ陰性Staphylococcusによる感染性心内膜炎の特異的治療
  • 人工弁
  • 心内膜炎の所見/症状.S. epidermidisやその他のコアグラーゼ陰性Staphylococcusの血液培養陽性.

病原体

  • S. epidermidis
  • コアグラーゼ陰性Staphylococcus

第一選択

  • MRSE:VCM 15~20mg/kg静注8~12時間ごと(目標AUC24 400~600μg・h/mL達成が望ましいが[AUC-用量設定の原理と計算を参照],そうでなければトラフ値15~20μg/mLをめざす)RFP 300mg静注†/経口8時間ごと)・6週+GM 1mg/kg 静注8時間ごと・2週
  • MSSE:VCMに代えて(NafcillinまたはOxacillin)2g静注4時間ごとを用いてもよい

(†:日本にない剤形)

第二選択

  • なし

抗微生物薬適正使用

  • VCM/GMを開始して2~3日後にRFPを開始する臨床家もいるが,これは菌量を低下させてRFP耐性株が選択されるリスクを少なくするためである.

コメント

  • VCM/GMを含む処方の場合には注意深く腎機能をモニターすること.
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2020/09/15