日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

肺炎-H. influenzae  (2023/12/12 更新)
H. influenzae 肺炎の特異的治療


臨床状況

  • 市中細菌性肺炎(CABP)の一般的な原因菌.
  • 血液培養,胸水からH. influenzaeを分離,または喀痰からの主要な菌としてH. influenzaeを分離.
  • 米国におけるほとんどの症例は成人で,多くの株は分類不能.
  • 多くの株はβラクタマーゼ陽性.

病原体

  • Haemophilus influenzae

第一選択

  • 感受性が確認されるまでの経験的治療ではβラクタマーゼ陽性株のカバーが必要である.
  • βラクタマーゼ陽性:
  • CTRX 1g静注24時間ごと,または
  • βラクタマーゼ陰性:
  • ABPC 2g静注6時間ごと,または
  • AMPC 1g経口8時間ごと
  • 治療期間についてはコメント参照

第二選択

  • STTrimethoprimとして)5~10mg/kg静注または経口12時間ごと
  • CPFX 400mg静注12時間ごとまたは750mg経口1日2回
  • LVFX 750mg経口または静注24時間ごと
  • DOXY 100mg経口1日2回
  • AZM 初日500mg・1回,その後250mg1日1回・4日
  • 治療期間については抗微生物薬適正使用参照

抗微生物薬適正使用

  • 臨床的に改善し,経口服薬が可能になれば,経口治療に切り替えることができる.
  • 患者が48時間以上無熱で,次の1つ以下にしか該当しない場合は抗菌薬を中止しても安全である(JAMA Intern Med 176: 1257, 2016).
  • 収縮期血圧<90mmHg
  • 心拍数>100/分
  • 呼吸数>24/分
  • 動脈血酸素飽和度<90%または室温PaO2<60mmHg

コメント

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2023/12/11