日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

胃腸炎-Salmonella S. typhi 以外)  (2026/04/28 更新)
特異的治療,Salmonella (non-typhi)胃腸炎


臨床状況

  • 臨床症状
  • 下痢,悪心,嘔吐,発熱,腹部けいれん,体質性の症状.臨床症状からは他の病原体による胃腸炎と区別がつかない.発熱は71~91%,血便は34%にみられる
  • 菌血症や侵襲性疾患が起こるのは患者の5%に過ぎない.免疫不全患者や非常な高齢ではリスクが増大.下記治療推奨を参照
  • 下記の症状のいずれかがある患者では治療が適応となる
  • 年齢<1歳または>50歳
  • 免疫不全状態(HIV,移植,ステロイド,がん,肝硬変,リンパ球増殖)
  • 血液透析
  • 動静脈瘤,血管移植,人工関節
  • 菌血症
  • 異常ヘモグロビン症
  • 発熱と重度の下痢(9~10回/日)で入院中

病原体

  • Salmonella えnteritidis
  • Salmonella newport
  • Salmonella typhimurium

第一選択

  • 抗菌薬治療が適応となるのは一部の患者のみである(上記臨床状況参照).抗菌薬治療が適応となる場合は:
  • CPFX 500mg経口1日2回,またはLVFX 500mg経口1日1回・7日(免疫不全患者では14日).米国外での感染ではフルオロキノロン耐性がより多い;経験的治療としては他の選択肢を考慮する.
  • AZM 500mg経口1日1回
  • CTRX 2g静注24時間ごと
  • 経口補液治療

第二選択

  • AZM 500mg経口1日1回・7日(免疫不全患者では14日)
  • ST 2錠経口1日2回.治療期間は不明だが,10~14日とするのが合理的.ST耐性についてはコメント参照.
  • CTX 2g静注8時間ごと(可能な場合)
  • AMPC 1g経口8時間ごと・7日(免疫不全患者では14日)
  • MEPM 1~2g静注8時間ごと(あるいはIPM/CSErtapenemなどの他のカルバペネム系薬剤)

治療期間/抗微生物薬適正使用

治療期間
  • 7日まで治療(免疫不全患者では14日)
抗微生物薬適正使用
  • 地域の感受性パターンと直接抗菌薬検査の結果に従って治療を行う.
  • 診断検査とは別に培養によって診断した場合には,抗菌薬感受性を検査するためにフォローアップの培養リフレックス検査を行うべきである.

コメント

  • 抗菌薬治療により急性サルモネラ症後のSalmonella便中排泄が長引くことがある.
  • 現在までの調査結果はCDCの全米薬剤耐性監視システム(NARMS)でみられる.
  • 耐性
  • 地域によっては,STおよびCP耐性が増加している.
  • CDC多剤耐性Salmonella Newport感染についての旅行注意およびメキシコでの症例多発(ほとんどはCTRX感性,全般的にはAZM,CPFX,ST耐性)(MMWR 68: 713, 2019).
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2026 Life Science Publishing↑ page top
2026/04/27