日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

カンジダ症-口腔咽頭  (2024/05/21 更新)
口腔咽頭カンジダ症,鵞口瘡


臨床状況

  • 鵞口瘡:炎症を起こした口腔内粘膜および咽頭粘膜,口蓋,扁桃腺を覆う乳白色の斑点ができる.
  • 平らな紅斑がみられる場合もある.
  • 口角に紅斑性の亀裂を伴う口唇炎.

病原体

  • Candida albicans
  • その他の非albicans Candida

第一選択

  • 軽症
  • クロトリマゾールトローチ 10mg1日5回・7~14日,または
  • NYS懸濁液†50万単位(5mL)1日4回口腔洗浄/飲み込む・7~14日
  • 中等度~重症および/またはHIV陽性患者
  • FLCZ 100~200mg/日・7~14日

(†:日本にない剤形)

第二選択

  • ITCZ 経口溶液200mg経口1日1回・7~14日
  • VRCZ 200mg12時間ごと・7~14日
  • PSCZ (注:用量が異なる徐放錠/静注と懸濁液では,徐放錠の方がより良好な濃度に達した)
  • 徐放錠 300mg経口1日2回・2回,その後300mg経口1日1回
  • 懸濁液 200mg1日4回,その後疾患の安定後400mg経口1日2回
  • PSCZ静注 300mg90分以上かけて静注1日2回・1日,その後300mg静注1日1回
  • CPFG 初回70mg,その後50mg/日静注,またはMCFG 100mg/日静注,またはAnidulafungin 初回200mg静注,その後100mg/日静注・7~14日
  • AMPH-B 0.3mg/kg/日・7~14日

コメント

  • HIV陽性患者:再発予防のために抗レトロウイルス治療(ART)が推奨される.
  • 再発した免疫不全患者に対しては抑制治療:FLCZ 100mg経口週3回.
  • 嚥下障害,嚥下痛なら食道カンジダ症の可能性あり.
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2024/05/21