日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ドルテグラビル  (2023/09/19 更新)
主な商品名:テビケイ

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
50mg経口1日1回(未治療患者,およびドルテグラビル使用前にINSTI変異が存在しない場合)
50mg経口1日2回(使用前にINSTI変異が存在する場合,またはエファビレンツホスアンプレナビル/リトナビルTipranavir/リトナビルまたはRFP と併用する場合)

 3. 小児用量

体重
錠剤(通常の)
経口懸濁液用錠剤
3~<6kg
承認されていない
5mg1日1回
6~<10kg
承認されていない
15mg1日1回
10~<14kg
承認されていない
20mg1日1回
14~<20kg
40mg1日1回
25mg1日1回(望ましい)
≧20kg
50mg1日1回
30mg1日1回

 4. 腎障害時の用量調整

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
Strand-transfer インテグラーゼ阻害薬
PK/PD指標
データなし
剤形
10mg錠†,25mg錠†,50mg錠
経口懸濁液用5mg錠†
通常成人用量
50mg経口24時間ごと
妊娠危険区分
妊娠の時期にかかわらず好ましい薬剤(用法用量参照)
経口剤の投与のタイミング1
どの剤形も食事の影響なし(制酸薬なし)
経口吸収率2(%)
データなし
最高血清濃度3(μg/mL)
3.67(SS)
蛋白結合(%)
>99
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
14
細胞内半減期(T1/2, 時間)
データなし
排泄(%)
主として肝臓で代謝され排泄される
中枢神経系移行効果(CPE)5
4(Clin Infect Dis 59: 1032, 2014
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
分布容積7(Vd)
17.4L(V/F)
AUC8(μg・時間/mL)
53.6(AUC 0-24)
CYP450,トランスポーターとの相互作用
基質:3A4, UGT1A1, UGT1A3, BCRP, PGP
阻害:OCT2, MATE1
Tmax(時間)10
2~3

†:日本にない剤形

SD:単回投与後

SS:複数回投与後の定常状態

V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)

Vss:定常状態におけるVd

Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)

  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. 健康な状態での吸収率
  3. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
  4. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
  5. CrCl>80 mL/分と想定
  6. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度
  7. 炎症時における脳脊髄液濃度
  8. 分布容積(Vd):
  9. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
  10. Tmax:薬剤投与後,血漿中濃度が最大になるまでの時間

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
制酸薬(Mg,Al)
DTG↓
2時間前または6時間後にDTGを投与
Caサプリメント
DTG↓
2時間前または6時間後にDTGを投与(食事とともになら同時に服用可)
カルバマゼピン
DTG↓
未治療患者または既治療だがINSTI未使用の患者では,DTGを50mg1日2回に増量
Dalfampridine
Dalfampridine↓
モニター,可能なら避ける
Dofetilide
Dofetilide↑
併用禁忌
エトラビリン
DTG↓
リトナビル併用ATV,DRV,LPVと併用すると影響は少なくなる
エファビレンツ
DTG↓
未治療患者または既治療だがINSTI未使用の患者では,DTGを50mg1日2回に増量
ホスアンプレナビル
DTG↓
未治療患者または既治療だがINSTI未使用の患者では,DTGを50mg1日2回に増量
イソニアジド/Rifapentine(週1回)
DTG↓,INHおよび毒性↑
併用を避ける
鉄サプリメント
DTG↓
2時間前または6時間後にDTGを投与(食事とともになら同時服用可)
メトホルミン
メトホルミン↑
モニター,用量調整
ネビラピン
DTG↓
併用を避ける
Oxcarbazepine
DTG↓
併用を避ける
フェノバルビタール
DTG↓
併用を避ける
フェニトイン
DTG↓
併用を避ける
リファンピシン
DTG↓
未治療患者または既治療だがINSTI未使用の患者では,DTGを50mg1日2回に増量
セイヨウオトギリソウ
DTG↓
併用を避ける
スクラルファート
DTG↓
2時間前または6時間後にDTGを投与
Tipranavir+リトナビル
DTG↓
未治療患者または既治療だがINSTI未使用の患者では,DTGを50mg1日2回に増量
バルプロ酸
DTG↓
J Antimicrob Chemother 76: 1273, 2021
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2023/09/19