日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ラルテグラビル  (2025/01/21 更新)
主な商品名:アイセントレス

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

†:日本にない剤形

 2. 成人用量

通常用量
1200mg(600mg2回)経口1日1回,未治療患者または400mg1日2回でウイルス学的に抑制されている場合
400mg経口1日2回,治療歴にかかわらず
RFPと併用する場合は800mg経口1日2回(薬物相互作用を参照)

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
早産または低体重:データなし

新生児 (満産),経口懸濁液:
0~1週,体重2~<3kg:4mg (0.4 mL)24時間ごと
0~1週,3~<4kg:5mg (0.5mL) 24時間ごと
0~1週,4~<5kg:7mg (0.7mL)24時間ごと
1~4週,2~<3kg:8mg (0.8mL)12時間ごと
1~4週,3~<4kg:10mg (1mL)12時間ごと
1~4週,4 ~<5kg:15mg (1.5mL) 12時間ごと

乳児>4週,小児≧3~<20kg,経口懸濁液:
3~<4 kg:25mg (2.5mL) 12時間ごと
4~<6 kg:30mg (3mL)12時間ごと
6~<8 kg:40mg (4mL)12時間ごと
8~<10 kg:60mg (6mL)12時間ごと
10~<14 kg:80mg (8mL)12時間ごと
14~<20 kg:100mg (10mL) 12時間ごと

小児 (≧3kg)および青少年,チュワブル錠:
3~<6kg:25mg12時間ごと
6~<10 kg:50mg12時間ごと
10~<14 kg:75mg12時間ごと
14~<20 kg:100mg12時間ごと
20~<28 kg:150mg12時間ごと
28~<40 kg:200mg12時間ごと
≧40 kg:300mg12時間ごと

小児および青少年,フィルムコート錠:
≧25kg:400mg12時間ごと
≧40kg,未治療または400mg12時間ごとで抑制:1200mg24時間ごと
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
9
半減期(時間)(ESRD)
データなし
用量(腎機能正常)
400mg経口12時間ごと
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
INSTI
剤形
錠(400mg,600mg)
チュワブル錠†(25mg,100mg)
経口懸濁液のための顆粒(10mg/mL)
食事に関する推奨(経口薬)1
すべての製剤で食事の影響なし
経口吸収率(%)
データなし
Tmax(時間)
1.5~3
最高血清濃度2(μg/mL)
4.5μM(400mg12時間ごと,SS)
15.7μM(1200mg24時間ごと,SS)
蛋白結合(%)
83
分布容積3(Vd)
287 L (Vss/F)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
9
排泄
グルクロン酸抱合
細胞内半減期(T1/2, 時間)
データなし
脳脊髄液/血液5(%)
1~53.5(中央値5.8)
中枢神経系移行効果(CPE)6
3
AUC7(μg・時間/mL)
14.3μM・時間(400mg12時間ごと,0~12時間)
55.3μM・時間(1200mg24時間,0~24時間)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 炎症時における脳脊髄液濃度
  6. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  7. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CYP450の基質
  
トランスポーターの基質
UGT
CYP450阻害
  
トランスポーター阻害
  
CYP450誘導
  
トランスポーター誘導
  
血清中薬物濃度への影響
  

血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微⽣物薬により影響を受ける併⽤薬の⾎清中濃度についてのことである.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
Al,Mg含有の制酸薬
RAL↓
併用を避ける(非高用量,高用量)
炭酸カルシウム制酸薬
RAL↓
非高用量:用量調整不要
高用量:併用を避ける
エトラビリン
RAL↓
非高用量:用量調整不要
高用量:併用を避ける
Nirmatrelvir/リトナビル
RAL↑
モニター,さらなる情報を求める
リファンピシン
RAL↓
RAL 800mg1日2回を使用;高用量は推奨されない
Tipranavir/リトナビル
RAL↓
非高用量:用量調整不要
高用量:併用を避ける
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2025/01/20