日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ラルテグラビル  (2022/4/5 更新)
主な商品名:アイセントレス

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

†:日本にない剤形

 2. 成人用量

通常用量
1200mg(600mg2回)経口1日1回,未治療患者または400mg1日2回でウイルス学的に抑制されている場合
400mg経口1日2回,治療歴にかかわらず
RFPと併用する場合は800mg経口1日2回(薬物相互作用を参照)

 3. 小児用量

剤形
年齢(体重)
用量
経口懸濁液†
新生児,生後0~1週(2~<3kg)
4mg(0.4mL)1日1回
新生児,生後0~1週(3~<4kg)
5mg(0.5mL)1日1回
新生児,生後0~1週(4~<5kg)
7mg(0.7mL)1日1回
新生児,生後1~4週(2~<3kg)
8mg(0.8mL)1日2回
新生児,生後1~4週(3~<4kg)
10mg(1mL)1日2回
新生児,生後1~4週(4~<5kg)
15mg(1.5mL)1日2回
乳児生後>4週,小児,(3~<4kg)
25mg(2.5mL)1日2回
乳児生後>4週,小児,(4~<6kg)
30mg(3mL)1日2回
乳児生後>4週,小児,(6~<8kg)
40mg(4mL)1日2回
乳児生後>4週,小児,(8~<10kg)
60mg(6mL)1日2回
乳児生後>4週,小児,(10~<14kg)
80mg(8mL)1日2回
乳児生後>4週,小児,(14~<20kg)
100mg(10mL)1日2回
チュワブル錠†
小児(≧3kg)および青少年(3~<6kg)
25mg1日2回
小児および青少年(6~<10kg)
50mg1日2回
小児および青少年(10~<14kg)
75mg1日2回
小児および青少年(14~<20kg)
100mg1日2回
小児および青少年(20~<28kg)
150mg1日2回
小児および青少年(28~<40kg)
200mg1日2回
小児および青少年(≧40kg)
300mg1日2回
フィルムコート錠
小児および青少年(≧25kg)
400mg1日2回
小児および青少年(≧40mg)
1200mg(600mg高用量×2回)1日1回
この用量はARV未治療か最初の400mg1日2回でウイルス学的に抑制されている患者でのもの)

†:日本にない剤形

 4. 腎障害時の用量調整

なし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
インテグラーゼ阻害薬
PK/PD指標
データなし
剤形
400mg,600mg(高用量)フィルムコート錠
25mg,100mg(分割)チュワブル錠†
経口懸濁液のための顆粒(1回用100mg包,最終濃度10mg/mL)
通常成人用量
400mg経口1日2回
妊娠危険区分
ヒトでの催奇形性のデータなし(400mg1日2回)(1200mg1日1回についてはデータが不十分)
経口剤の投与のタイミング1
すべての製剤で食事の影響なし
経口吸収率2(%)
生物学的利用能の絶対値は確定されていない.
相対的に,チュワブル錠,経口懸濁液>400mg錠
600mg錠>400mg錠
最高血清濃度3(μg/mL)
4.5μM(400mg1日2回SS)
15.7μM(1200mg1日1回 SS)
蛋白結合(%)
83
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
9
細胞内半減期(T1/2, 時間)
データなし
排泄(%)
主なクリアランス機序:UGT1A1によりグルクロン酸抱合され,糞便および尿中に排泄される(したがってリトナビルによる作用強化は必要ない)
中枢神経系移行効果(CPE)5
3
脳脊髄液/血液6(%)
中央値5.8%,範囲1~53%
分布容積7(Vd)
287 L (Vss/F)
AUC8(μg・時間/mL)
400mg1日2回:14.3μM・時間(AUC0-12
1200mg1日1回:55.3μM・時間(AUC
0-24
CYP450,トランスポーターとの相互作用
UGTの基質
(CYP450との相互作用はなし)
Tmax9(時間)
3(400mg1日2回)
1.5~2(1200mg1日1回)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. 健康な状態での吸収率
  3. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
      SD:単回投与後
      SS:複数回投与後の定常状態
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 分布容積(Vd):
      V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)
      Vss:定常状態におけるVd
      Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
  9. Tmax:薬剤投与後,血漿中濃度が最大になるまでの時間

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
Al,Mg含有の制酸薬
RAL↓
併用は推奨されない(非高用量,高用量)
炭酸カルシウム制酸薬
RAL↓
非高用量:用量調整不要
高用量:併用を避ける
エトラビリン
RAL↓
非高用量:用量調整不要
高用量:併用を避ける
Nirmatrelvir/リトナビル
RAL↑
モニター,さらなる情報を求める
リファンピシン
RAL↓
RAL 800mg1日2回を使用;高用量は推奨されない
Tipranavir/リトナビル
RAL↓
非高用量:用量調整不要
高用量:併用を避ける
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2022/03/31