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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
Actinomyces
属
(
2024/01/16 更新
)
臨床状況
放線菌症は,通常は以下の4つの感染症状の1つとして発症する.
腹部:腹部手術後に腫瘤(±瘻孔)として発症,たとえば虫垂破裂後の後期合併症
頸部/顔面:顎放線菌症.放線菌症として最も多い病態で,歯や顎部の外傷後に腫瘤および瘻孔として発症
骨盤内:卵管卵巣膿瘍.子宮内避妊器具(IUD)の合併症ではIUDを除去する.
肺:慢性病変であり,腫瘤,広汎な肺浸潤がみられ,肺がん,結核,市中感染肺炎に似ることがある.
検査結果陽性
増殖が遅い嫌気性グラム陽性桿菌
Actinomyces
属のいくつかの種がヒトでの疾患の原因となるが,そのうち最も多いのが
Actinomyces israelii
である.
感染組織で集塊,いわゆる硫黄顆粒(sulfur granule)を形成する.
感染の大部分は多菌性(
Clin Microbiol Rev 28: 419, 2015
)
個々の疾患,症候群については,
放線菌症
参照
分類
グラム陽性桿菌
多数の種がある:
J Antimicrob Chemother 71: 422, 2016
参照
Actinomyces israelii
(もっとも多い)
Actinomyces meyeri
Actinomyces turicensis
Actinomyces europaeus
その他(
J Antimicrob Chemother 71: 422, 2016
参照)
第一選択
ABPC
200mg/kg/日3~4回に分割静注・2~6週間
PCG
1000万~2000万単位/日,4~6時間ごとに分割静注・4~6週,その後
Penicillin VK
2~4g/日経口
AMPC
2g経口1日2回・6~12ヵ月(コメント参照)
第二選択
DOXY
100mg静注†1日2回・2~6週,その後経口6~12ヵ月
CTRX
2g静注1日1回・2~6週,その後経口処方の1つを6~12ヵ月
CLDM
600~900mg静注8時間ごと2~6週,その後300mg1日3回経口・6~12ヵ月
AMPC
2g経口1日2回・6~12ヵ月
(†:日本にない剤形)
コメント
同様に有効なもの:
CLDM
,
EM
MNZ は活性なし.
経口治療に先立ち静注治療によるrun inを2~6週行うという推奨は,古典的かつ経験的なものである.先行する静注治療の期間を短く(たとえば3日)しても,または静注治療を行わなくても,特に重症度の低い例では奏効したとの症例報告がある(
Chest 128: 2211, 2005
).治療期間が3カ月より短くても,病変が小さい場合には奏効することがある.
多菌性の感染の場合には,他の病原菌をカバーする処方を選択すること.
文献:
StatPearls 2023年2月19日
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2024/01/15