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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
術後感染症の予防-頭頸部手術
(
2020/11/4 更新
)
臨床状況
手術30~60分前に投与する.
頭頸部手術における抗菌薬の予防投与は,口腔および咽頭の粘膜を含む手術においてのみ有効のようである(例:喉頭,咽頭腫瘍).しかし,予防をしても創部感染率は高い.
汚染のない頭頸部手術では,人工器具の埋め込みを行うのでなければ予防投与は必要ない
鼓膜切開チューブでは予防は不要
2013年の診療ガイドライン:
Am J Health Syst Pharm 70: 195, 2013
.
術後感染症の予防-概説
も参照.
病原体
口腔および中咽頭の正常細菌叢
好気性菌/嫌気性菌の混合
鼻腔内細菌叢が関与することがある.鼻腔内細菌叢に
S. aureus
が含まれることがある
第一選択
人工器具を用いる無菌手術の場合:
CEZ
2g静注1回(処置が4時間以上かかる場合には投与を繰り返す)
無菌~汚染のある手術の場合:(
CEZ
2g静注または
Cefuroxime
1.5g静注)1回(処置が4時間以上かかる場合には投与を繰り返す)+
MNZ
500mg静注1回,または
無菌~汚染のある手術の場合:
ABPC/SBT
3g静注1回(処置が2時間以上かかる場合には投与を繰り返す)
第二選択
CLDM
900mg静注1回(処置が6時間以上かかる場合には投与を繰り返す)±(
GM
または
TOB
5mg/kg静注1回)
AMPC/CVA
1000/200mg静注†1回(処置が2時間以上かかる場合には投与を繰り返す)
(†:日本にない剤形)
コメント
扁桃摘出術および他のある種の処置では予防の有用性はない(
Am J Health Syst Pharm 70: 195, 2013
)
無菌~汚染のある処置で,グラム陰性細菌感染のリスクがある場合には,CLDMにGMまたはTOBを追加してもよい.
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2020/10/29