日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

副鼻腔炎-急性,経験的治療失敗  (2025/08/05 更新)
急性副鼻腔炎,治療3日後も臨床的効果がみられない


臨床状況

  • 急性副鼻腔炎:3日の経験的抗菌薬治療後の治療失敗
  • 推奨治療を行ったにも関わらず持続する副鼻腔痛,鼻腔のうっ血,膿性鼻漏,またおそらく発熱
  • 原因として
  • 抗菌薬耐性菌による感染
  • 1つ以上の副鼻腔口の閉塞
  • まれに深在性真菌症(特に免疫不全患者やインスリン依存性糖尿病患者の場合)
  • 非感染性疾患による副鼻腔炎(たとえば多発血管炎性肉芽腫[以前はWegener肉芽腫症とよばれていた])
  • 選択される診断方法:副鼻腔穿刺または副鼻腔内視鏡による副鼻腔滲出液の採取

病原体

  • S. pneumoniae(33%)
  • H. influenzae(32%)
  • M. catarrhalis(9%)
  • Streptococcus 属(A群)(2%)
  • 嫌気性菌(6%)
  • ウイルス(15%)
  • S. aureus
  • Clin Infect Dis 54: 826, 2012Clin Infect Dis 45: e121, 2007参照:データ解析からは,S. aureus が急性単純性副鼻腔炎の原因とは考えられないことが示唆された.培養陽性率は無症候の対照と同じであったことから,培養陽性はコロニー形成を示しているだけの可能性がある.

第一選択

経験的治療不成功の場合の修正
  • 小児:培養を行っていない小児に対し,second-lineとして推奨される経験的治療
  • AMPCが失敗した場合は,AMPC/CVA(強力価)懸濁液 90mg/kg/日(AMPC成分)経口12時間ごとに分割・10~14日
  • AMPC/CVAが失敗した場合は,CLDM 30~40mg/kg/日経口を8時間ごとに分割+(CXM-AX 30mg/kg/日経口12時間ごとに分割,またはCFDN 14mg/kg/日12時間ごとに分割または24時間ごと,またはCPDX-PR 10mg/kg/日経口12時間ごとに分割).注:CXM懸濁液は米国では入手できないが,他の市場では入手可能なこともある.
  • 成人:治療が失敗した場合,培養結果が得られるまでの経験的治療
  • 軽症(外来患者):AMPC/CVA 1000mg/62.5mg錠2錠経口1日2回,またはLVFX 750mg経口1日1回
  • 重症(入院患者):CTRX 1~2g静注24時間ごと,またはABPC/SBT 3g静注6時間ごと,またはLVFX 750mg静注/経口24時間ごと
  • 24時間以内に反応がなければ,副鼻腔のCTスキャンをとり,手術についてコンサルテーション

第二選択

標的/特異的治療
  • 培養と感受性試験結果に基づいてベースとなる治療薬を選択する

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2025/08/04