日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Mycobacterium fortuitum complex  (2025/11/25 更新)
非結核性抗酸菌


臨床状況

  • 非結核性抗酸菌Mycobacterium fortuitumによる皮膚,骨,呼吸器の感染症.
  • 迅速発育菌
  • 治療の補助として感染部位の外科的切除が行われる.

病原体

  • Mycobacterium fortuitum
  • Mycobacterium peregrinum,その他

第一選択

  • 肺疾患:in vitro感受性検査で感受性が確認された薬剤を少なくとも2剤(より重症の場合は3剤)使用する
  • AMK 10mg/kg静注1日1回+Cefoxitin 8~12g/日静注2~3回に分割+LVFX 750mg経口1日1回)・2~6週,その後[ST 800/160mg経口1日2回+(DOXY 100mg経口1日2回またはLVFX)]・6~12カ月
  • CefoxitinをIPM/CS 1g静注8~12時間ごとに替えてもよい
  • LVFXをMFLX 400mg経口1日1回に替えてもよい

第二選択

  • 皮膚および軟部組織感染
  • MINO 100mg経口1日2回,またはDOXY 100mg経口1日2回)+(CPFX 750mg経口1日2回,またはST 800/160mg経口1日2回)・4~6カ月

治療期間/抗微生物薬適正使用

治療期間
  • 上記処方を参照.
抗微生物薬適正使用
  • M. fortuitumは標準的な抗結核薬すべてに耐性.
  • マクロライド系薬に対する耐性は誘導耐性であることがあり,多くの場合に存在し,complexに含まれる菌種間で異なっていることから,誘導耐性(培養3日で感受性,14日で耐性)が除外されないかぎりマクロライド系薬は用いないこと.

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2025/11/25