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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
脳膿瘍-
Nocardia
(
2024/11/26 更新
)
脳膿瘍,
Nocardia
臨床状況
Nocardia
感染による脳膿瘍は,通常免疫不全患者に起こり,しばしば呼吸器感染症または他の播種性疾患を伴う.
髄膜炎や脳室炎と併発することもある.
病原体
ヒトの感染においては40種以上の
Nocardia
が同定されている(
Clin Microbiol Rev 19: 259, 2006
;
Clin Microbiol Rev 35: e0002721
).下のリストはもっとも多くみられるもの
Nocardia nova
complex
Nocardia farcinica
Nocardia cyriacigeorgica
Nocardia brasiliensis
Nocardia abscessus
第一選択
大きい膿瘍に対しては外科的ドレナージを考慮する
ST
(トリメトプリム 15mg/kg/日・スルファメトキサゾール 75mg/kg/日)静注または経口2~4回に分割+
IPM/CS
500mg静注6時間ごと
多臓器感染ならば
AMK
7.5mg/kg12時間ごとを追加することもある.
治療期間および経口治療へのステップダウンについては抗微生物薬適正使用照.
第二選択
LZD
600mg静注または経口12時間ごと+
MEPM
2g静注8時間ごと
治療期間および経口治療へのステップダウンについてはコメント参照.
抗微生物薬適正使用
治療期間:
静注治療3~6週後(免疫不全患者,広範な病変の患者では6週が望ましい),経口治療に切り替え.
免疫正常患者:
ST
,
MINO
または
AMPC/CVA
を3カ月以上(髄膜炎や広範な病変の患者ではより長期).
免疫不全患者:2剤併用で最低1年治療.
コメント
感受性検査を行い,その結果に基づいて治療する.
中枢神経の
Nocardia
感染に対して,STは現在でも選択薬である.
スルホンアミド耐性あるいはサルファ剤アレルギーの場合は,
AMK
+(
IPM/CS
,
MEPM
,
CTRX
)のうちの1剤.
N. farcinica
はCTRXに耐性,治療にCTRXは用いないこと.
【日本の情報】
日和見疾患の診断・治療「ノカルジア感染症」
(HIV感染症とその合併症 診断と治療ハンドブック:国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター).日本で最も多い
N. farcinica
は薬剤耐性が多い.
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2024/11/25