日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

咬傷-イヌ  (2023/2/14 更新)


臨床状況

  • イヌによる咬み傷.
  • イヌの咬み傷からの感染はわずか5%.治療を要するのは咬傷が重症であるか重大な合併症(糖尿病など)がある場合のみ.

病原体

  • Pasteurella canis

第一選択

  • AMPC/CVA(875/125mg経口1日2回または500/125mg経口1日3回)

第二選択

  • 小児:経口CLDM+経口ST

抗微生物薬適正使用

  • P. canisはDicloxacillin,CEX,CLDM,EMに耐性,CTRX,CXM-AX,CPDX-PR,Ceftarolineおよびフルオロキノロン系には感受性.Pasteurella属およびMRSAに対してはおそらくCeftarolineのみが活性(Antimicrob Agents Chemother 56: 6319, 2012).

コメント

  • 貫通性イヌ咬傷では狂犬病を考慮する:
  • 動物が健康そうなら10日間観察,動物が狂犬病の臨床症状を示したらPEPを行う
  • 動物に狂犬病の疑いがあれば,ただちにPEPを行う
  • 逃げられてしまった場合:公衆衛生機関に相談:
  • 脾摘後の患者がC. canimorsusに感染した場合,局所の焼痂やDICを伴う敗血症を発症しうる(ショック-脾摘後参照).
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2023/02/09