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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
Candida albicans
(
2024/03/12 更新
)
臨床状況
カンジダ血症,播種性カンジダ症:好中球減少症がない患者,好中球減少症患者
粘膜および皮膚カンジダ症の原因としてもっとも多い
ヒト常在菌叢
リスク因子:抗菌薬使用,消化管手術,免疫不全状態
血液培養で酵母の陽性,カテーテル関連血流感染の疑い
病原体
Candida albicans
:侵襲性カンジダ感染の原因としてもっとも多く,発芽管を形成する
第一選択
経験的治療(コメント参照)
CPFG
初回70mg静注,その後50mg静注1日1回
MCFG
100mg静注1日1回
Anidulafungin
初回200mg静注,その後100mg静注1日1回
Rezafungin
初回400mg静注1回,その後200mg静注週1回
特異的治療(種が特定された)
FLCZ
初回800mg(12mg/kg),その後,血液培養が陰性となり臨床的に安定すれば400mg静注/経口1日1回
第二選択
経験的治療:好中球減少症がない患者
FLCZ
初回800mg(12mg/kg),その後400mg静注/経口1日1回(軽症~中等症で先行するアゾール薬治療がない場合)
AMPH-B
脂質製剤3~5mg/kg静注1日1回
AMPH-B
0.7mg/kg静注1日1回
VRCZ
6mg/kg1日2回・2投与,その後4mg/kg1日2回
抗微生物薬適正使用
持続性の真菌血症や転移性の合併症がない場合のカンジダ血症の治療期間は,血流からの
Candida
消失が確認され,カンジダ血症による症状が改善し,好中球減少症が解消した後2週間である
血液培養を繰り返して真菌血症の消失を確認する
コメント
カテーテル関連感染
抜去し新しい部位に設置.カテーテル維持は高死亡率と関連する(
Clin Infect Dis 54: 1110, 2012
).
真菌性敗血症性血栓性静脈炎:必要に応じてカテーテル抜去,切開,ドレナージ,血管切除が推奨される.
眼球への進展がないかどうか確認する
好中球減少症がない患者:眼病変を除外するために治療第1週中に眼底検査を行う:眼病変は患者の~15%で起こり(
Clin Infect Dis 53: 262, 2011
),通常は全身治療に伴って消失する.眼内炎はまれである(<2%).
好中球減少症患者:好中球減少症がある間は眼病変の症状がみられないことがあるため,白血球数の回復後も眼底検査を行う.
眼病変の治療は,病変の程度,脈絡網膜炎か
眼内炎
かによって異なる.
抗真菌薬
エキノキャンディン系薬(CPFG,MCFG,Anidulafungin):ポリエン系やアゾール系にくらべ生存率を改善するため,一部の専門家では第一選択薬と考えられている(
Clin Infect Dis 54: 1110, 2012
).
VRCZ:FLCZより優れた点はあまりない(薬物相互作用がより多い)
Isavuconazole:カンジダ血症治療においてCPFGに対する非劣性は示されなかった(
Clin Infect Dis 68: 1981, 2019
).
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2024/03/11