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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
眼内炎-
Candida
(
2023/09/19 更新
)
真菌性眼内炎,カンジダ症
臨床状況
内因性:カンジダ血症患者の1.8%で眼病変が生じるが,アジア諸国でのサブグループ解析では3.6%だった(
Clin Infect Dis 76: 1738, 2023
).
脈絡網膜炎が眼病変の85%を占めるが,眼内炎は15%にすぎない(
Clin Infect Dis 53: 262, 2011
).
眼病変は無症候性のことが多い.
カンジダ血症患者ではルーチンの眼科コンサルトと散瞳を行った検査が推奨される(
Clin Infect Dis 62: 409, 2016
)が,議論もある(
JAMA Ophthalmol 137: 698, 2019
).
外因性:眼の手術または外傷後のカンジダ感染.
眼科専門医へのコンサルテーションと紹介が推奨される
病原体
Candida albicans
がほとんどだがその他の
Candida属
によっても引き起こされる.
第一選択
脈絡網膜炎±硝子体炎
FLCZ
初回800mg(12mg/kg),その後400~800mg(6~12mg/kg/日)(
C. glabrata
や
C. krusei
に対しては活性が低い)
C. albicans
およびその他のFLCZ/VRCZ感受性株
FLCZやVRCZに感受性のない
Candida
AMPH-B脂質製剤
3~5mg/kg/日±
5-FC
25mg/kg1日4回
失明のおそれがある場合は,
AMPH-B
0.005~0.01mg/0.1mL減菌水,または
VRCZ
100μg/0.1mL滅菌水の硝子体内投与を考慮する
硝子体炎を伴う脈絡網膜炎(眼内炎)
上記全身治療+上記硝子体内投与に加えて硝子体切除が推奨される.
第二選択
なし
抗微生物薬適正使用
治療期間:4~6週あるいはそれ以上,検査を繰り返して治癒を確認すること.
コメント
エキノキャンディン系は眼のカンジダ感染には推奨されない.
硝子体炎や眼内炎の患者では硝子体内AMPH-B投与や硝子体切除術が必要なこともある(
Br J Ophthalmol 92: 466, 2008
;
Pharmacotherapy 27: 1711, 2007
).
IDSAガイドライン:
Clin Infect Dis 62: 409, 2016
;
Clin Infect Dis 53: 262, 2011
.
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2023/09/19