日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

眼内炎-Candida  (2023/09/19 更新)
真菌性眼内炎,カンジダ症


臨床状況

  • 内因性:カンジダ血症患者の1.8%で眼病変が生じるが,アジア諸国でのサブグループ解析では3.6%だった(Clin Infect Dis 76: 1738, 2023).
  • 眼病変は無症候性のことが多い.
  • 外因性:眼の手術または外傷後のカンジダ感染.
  • 眼科専門医へのコンサルテーションと紹介が推奨される

病原体

第一選択

脈絡網膜炎±硝子体炎
  • FLCZ 初回800mg(12mg/kg),その後400~800mg(6~12mg/kg/日)(C. glabrataC. kruseiに対しては活性が低い)
  • C. albicansおよびその他のFLCZ/VRCZ感受性株
  • FLCZやVRCZに感受性のないCandida
  • 失明のおそれがある場合は,AMPH-B 0.005~0.01mg/0.1mL減菌水,またはVRCZ 100μg/0.1mL滅菌水の硝子体内投与を考慮する
硝子体炎を伴う脈絡網膜炎(眼内炎)
  • 上記全身治療+上記硝子体内投与に加えて硝子体切除が推奨される.

第二選択

  • なし

抗微生物薬適正使用

  • 治療期間:4~6週あるいはそれ以上,検査を繰り返して治癒を確認すること.

コメント

  • エキノキャンディン系は眼のカンジダ感染には推奨されない.
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2023/09/19