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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
肺炎-インフルエンザ合併または罹患後
(
2024/07/09 更新
)
インフルエンザ合併または罹患後患者の細菌性肺炎の治療
臨床状況
インフルエンザ罹患中もしくは罹患後の肺炎または敗血症の徴候と症状
インフルエンザ罹患後の
S. aureus
同定には喀痰グラム染色が有用
インフルエンザ症例の0.5~2.5%に合併する
病原体
S. aureus
S. pneumoniae
H. influenzae
S. pyogenes
第一選択
インフルエンザ
と
市中肺炎
の両方の治療に追加する
MRSAのカバー:
VCM
15~20mg/kg静注8~12時間ごと(目標AUC
24
400~600μg・h/mL達成が望ましいが[
AUC-用量設定の原理と計算
を参照],そうでなければトラフ値15~20μg/mLをめざす),または
LZD
600mg静注12時間ごと
MRSAのリスク因子(静注薬使用,過去にMRSA培養陽性,直近90日以内に入院して抗菌薬注射治療を受けた)がある患者,または壊死性肺炎,喀血,重症疾患のエビデンスがある患者
喀痰および血液培養を行い,陰性であればMRSAのカバーは中止可能
第二選択
なし
コメント
CDCのサーベイランスデータ
によれば,2009年のH1N1型インフルエンザ流行期間中,小児の死亡例の約1/3で,確定診断された細菌感染と死亡との関連が認められ,その細菌感染の33%は
S. aureus
(MSSAおよびMRSA),22%は
S. pneumoniae
だった.
ICUに入院して人工呼吸を必要とする患者の約3分の1は,おもにグラム陽性球菌による細菌性肺炎を併発していることが微生物学的に証明されている(
Am J Respir Crit Care Med 204:546, 2021
).
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2024/07/09