日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

感染性心内膜炎-予防,歯科的処置  (2024/01/30 更新)


臨床状況

  • 予防推奨は,心内膜炎を引き起こしやすい条件と歯科的処置のタイプに基づく.
  • 抗生物質による予防が推奨されるのは,心内膜炎を引き起こしやすい以下のような条件の患者に対してである:
  • 人工弁または弁修復への人工物の使用
  • 感染性心内膜炎の既往
  • 先天性心疾患(CHD)(治療を受けていないチアノーゼ性CHD,一時的に設置されたシャントおよび導管を含む;人工物を用いて完治したCHDの術後最初の6ヵ月;治療したが人工パッチや人工物近辺に残存した欠損があるCHD
  • 心臓移植後の弁膜症
  • 以下の歯科的処置には予防が推奨される:
  • 歯肉,歯根周囲に対する処置,または口腔粘膜の穿孔
  • 以下のような場合には予防は推奨されない:
  • 上記以外の心疾患(たとえば,僧帽弁逸脱),胃腸あるいは性器・泌尿器の処置
  • ルーチンの麻酔注射(直接の感染部位を通らなければ),歯科X線写真,乳歯の抜歯,歯科矯正の調整,または歯科矯正器具の取り付け・抜去,創部からの口唇または口内粘膜への出血

病原体

  • 口腔内Streptococcus

第一選択

  • 通常の口腔予防
  • 成人:AMPC 2g経口,処置の30~60分前
  • 小児:AMPC 50mg/kg経口,処置の30~60分前

第二選択

  • 経口薬服薬が不可能な患者
  • 成人:ABPC 2g静注/筋注,処置の30分前,またはCEZ 1g静注/筋注,処置の30~60分前
  • 小児:ABPC 50mg/kg静注/筋注,またはCEZ 50mg/kg静注/筋注,またはCTRX 50mg/kg静注/筋注,処置の30~60分前
  • ペニシリンアレルギー,経口処方(注:ペニシリンに対する即時型過敏反応の既往がある患者にはセファロスポリン系薬を投与すべきではない)
  • 成人:
  • CEX 2g,処置の30~60分前
  • AZMまたはCAM 500mg,処置の30~60分前
  • DOXY 100mg,処置の30~60分前
  • 小児:
  • CEX 50mg/kg経口,処置の30~60分前
  • AZMまたはCAM 500mg,処置の30~60分前
  • 体重≦45kg 2.2mg/kg,処置の30~60分前
  • >45kg 100mg,処置の30~60分前
  • ペニシリンアレルギーがあり,かつ経口薬服薬不可能(注:ペニシリンに対する即時型過敏反応の既往がある患者にはセファロスポリン系薬を投与すべきではない)
  • 成人:CEZ 1g静注/筋注,またはCTRX 1g静注/筋注,処置の30~60分前
  • 小児:CEZ 50mg/kg静注/筋注,またはCTRX 50mg/kg静注/筋注,処置の30~60分前

コメント

  • 小児用量は成人用量を超えてはならない.
  • AHAはCEZに代わる可能な選択肢として同等用量のセファロスポリン第1,第2世代をあげている.
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2024/01/29