false
日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
Candida tropicalis
(
2024/10/01 更新
)
臨床状況
カンジダ血症,播種性カンジダ症.好中球減少症のない患者,ある患者
血液培養で酵母陽性,カテーテル関連の血流感染が疑われる
病原体
Candida tropicalis
,侵襲性
Candida感
染の原因
第一選択
経験的治療
CPFG
初回70mg静注,その後50mg静注1日1回
MCFG
100mg静注1日1回
Anidulafungin
初回200mg静注,その後100mg静注1日1回
標的治療
FLCZ
初回800mg(12mg/kg),その後,血液培養が陰性化し臨床的に安定したら400mg静注/経口1日1回
第二選択
経験的治療
AMPH-B
脂質製剤3~5mg/kg静注1日1回
AMPH-B
0.7mg/kg静注1日1回
VRCZ
6mg/kg1日2回・1日目のみ,その後4mg/kg1日2回
PSCZ
徐放剤300mg(3×100mg錠)経口/静注第1日,その後300mg経口/静注1日1回
抗微生物薬適正使用
持続的な真菌血症や他臓器の合併症がないカンジダ血症に対する治療期間は,血流からの
Candida
消失が確認され,カンジダ血症に起因する症状がなくなり,好中球減少症が解消してから2週間.
抗真菌薬
エキノキャンディン系(CPFG,MCFG,Anidulafungin):エキノキャンディン系はポリエン系,アゾール系と比べてより良好な生存率に関連しており,一部の専門家は第一選択薬剤と考えている(
Clin Infect Dis 54: 1110, 2012
).
VRCZ:FLCZ感性分離株ではFLCZ以上の有用性はない(薬物相互作用が多い).
Isavuconazole:カンジダ血症治療ではCPFGに対する非劣性は示されなかった(
Clin Infect Dis 68: 1981, 2019
).
コメント
真菌血症消失を確認するために血液培養を繰り返す.
眼病変の評価:
好中球減少のない患者:眼病変がないことを確認するために治療1週間以内に眼底検査を行う.通常全身性治療だけで治癒する眼所見は患者の~15%で起こり(
Clin Infect Dis 53: 262, 2011
),眼内炎はまれである(<2%)
好中球減少症患者:好中球減少症がある間は,眼病変の徴候がみられないことがあるため,白血球の回復後に眼底検査を行う.
眼病変の治療は病変の程度,網脈絡膜炎か眼内炎かによって異なる.
IDSA治療ガイドライン:
Clin Infect Dis 62: 409, 2016
.
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2024 Life Science Publishing
↑ page top
2024/09/30