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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
Candida glabrata
(
2023/03/28 更新
)
C. glabrata
,
Nakaseomyces glabrata
臨床状況
カンジダ血症,播種性カンジダ症:好中球減少症がない患者,好中球減少症患者
血液培養で酵母の陽性,カテーテル関連血流感染の疑い
多くの場合FLCZに感受性なし
病原体
Candida glabrata
(
Nakaseomyces glabrata
に改名):酵母,侵襲性カンジダ感染症の原因として2番目に多く,芽管を形成しない
第一選択
経験的治療
CPFG
初回70mg静注,その後50mg1日1回
MCFG
100mg静注1日1回
Anidulafungin
初回200mg静注,その後100mg静注1日1回
特異的治療
C. glabrata
治療には,アゾール系薬への感受性が確認され,血液培養が陰性となり,臨床的に安定した場合を除き,エキノキャンディン系薬を用いる
第二選択
経験的治療
AMPH-B
脂質製剤3~5mg/kg静注1日1回
AMPH-B
0.7mg/kg静注1日1回
VRCZ
初日6mg/kg1日2回,その後4mg/kg1日2回
PSCZ
徐放製剤300mg(100mg錠3回)経口/静注1日,その後300mg経口/静注1日1回
抗微生物薬適正使用
持続性の真菌血症や転移性の合併症がない場合のカンジダ血症の治療期間は,血流からの
Candida
消失が確認された後2週間であり,カンジダ血症や好中球減少症の治癒により症状は解消する
抗真菌薬
エキノキャンディン系薬(CPFG,MCFG,Anidulafungin):ポリエン系やアゾール系にくらべ生存率が改善するため,一部の専門家では第一選択薬と考えられている(
Clin Infect Dis 54: 1110, 2012
)
VRCZ:FLCZ感受性株に対しては,FLCZより優れた点はあまりない(薬物相互作用がより多い)
Isavuconazole:カンジダ血症治療においてCPFGに対する非劣性は示されなかった(
Clin Infect Dis 68: 1981, 2019
).
コメント
血液培養を繰り返して真菌血症の消失を確認する.
眼病変の評価:
好中球減少症がない患者:眼病変を除外するために治療第1週中に検眼鏡検査を行う:眼病変は患者の~15%で起こり(
Clin Infect Dis 53: 262, 2011
),通常は全身治療に伴って消失する.眼内炎はまれである(<2%).
好中球減少症患者:好中球減少症がある間は眼病変の症状がみられないことがあるので,白血球数の回復後に検眼鏡検査を行う.
眼病変の治療は,病変の程度,脈絡網膜炎か
眼内炎
かによって異なる.
IDSA治療ガイドライン:
Clin Infect Dis 62: 409, 2016
.
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2023/03/27