日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

梅毒-第2期  (2023/08/29 更新)
第2期梅毒の治療


臨床状況

  • 発熱,しばしば手のひらや足裏に発現する丘疹鱗屑性皮疹,無菌性髄膜炎.

病原体

  • T. pallidum

第一選択

(†:日本にない剤形)

第二選択

  • DOXY 100mg経口1日2回・14日,またはTC 500mg経口1日4回・14日
  • CTRX 1g筋注††または静注24時間ごと・10~14日.ただし厳密な投与日数と用量は不明.
  • AZM 2g経口1回は,耐性増加のため,もはや推奨されない.
  • フォローアップが必要.
  • 妊婦は全例ペニシリンで治療すること:ペニシリンアレルギーなら脱感作を行う.方法についてはペニシリンの脱感作参照.
  • ベンジルペニシリンベンザチンが入手できない国もあり,どこでも薬剤不足が深刻化している.
  • 日本でのHIV感染患者における経験に基づき,(高用量AMPC 3g/日+プロベネシド 750mg/日)経口1日3回に分割・2週(早期梅毒)または4週(晩期梅毒または罹患期間が不明の場合)が考慮される(有効95.5%,286例中273例:Clin Infect Dis 61: 177, 2015).
  • その他の第二選択として,AMPC 1.5g/日は,ABPC+プロベネシド併用と有効性は同様(94.9%)だが,忍容性は高い:Sex Transm Infect 98: 173, 2022.

(††:米国では処方される)

コメント

  • すべての梅毒患者でHIV検査を,すべてのHIV患者で梅毒の検査を行うこと.
  • 治療後0,3,6,12,24カ月に定量的トレポネーマ試験(VDRLまたはRPR)を行う.
  • 1,2期梅毒ではVDRLは6カ月で2管(4倍),12カ月で3管(8倍),24カ月で4管(16倍)低下するはずである.
  • 現在の2021年のCDCの推奨では,力価が4倍下がらなかった場合,CSFを調べることはもはや推奨されておらず,むしろ力価と神経学的検査に従うようにとされている.
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2023/08/28