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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
梅毒-第2期
(
2023/08/29 更新
)
第2期梅毒の治療
臨床状況
発熱,しばしば手のひらや足裏に発現する丘疹鱗屑性皮疹,無菌性髄膜炎.
文献:
JAMA 312: 1905, 2014
;
Clin Infect Dis 61(Suppl 8): S818, 2015
;
Lancet 389: 1550, 2017
;
N Engl J Med 382: 845, 2020
.
病原体
T. pallidum
第一選択
DBECPCG
240万単位筋注†1回
(†:日本にない剤形)
第二選択
DOXY
100mg経口1日2回・14日,または
TC
500mg経口1日4回・14日
CTRX
1g筋注††または静注24時間ごと・10~14日.ただし厳密な投与日数と用量は不明.
ヨーロッパ2020年梅毒ガイドライン
では,DBECPCGが入手できない場合,プロカインペニシリン600000単位を筋注1日1回・10~14日を推奨.
AZM
2g経口1回は,耐性増加のため,もはや推奨されない.
フォローアップが必要.
妊婦は全例ペニシリンで治療すること:ペニシリンアレルギーなら脱感作を行う.方法については
ペニシリンの脱感作
参照.
ベンジルペニシリンベンザチンが入手できない国もあり,どこでも薬剤不足が深刻化している.
日本でのHIV感染患者における経験に基づき,(高用量
AMPC
3g/日+プロベネシド 750mg/日)経口1日3回に分割・2週(早期梅毒)または4週(晩期梅毒または罹患期間が不明の場合)が考慮される(有効95.5%,286例中273例:
Clin Infect Dis 61: 177, 2015
).
その他の第二選択として,
AMPC
1.5g/日は,
ABPC
+プロベネシド併用と有効性は同様(94.9%)だが,忍容性は高い:Sex Transm Infect 98: 173, 2022.
(††:米国では処方される)
コメント
すべての梅毒患者でHIV検査を,すべてのHIV患者で梅毒の検査を行うこと.
治療後0,3,6,12,24カ月に定量的トレポネーマ試験(VDRLまたはRPR)を行う.
1,2期梅毒ではVDRLは6カ月で2管(4倍),12カ月で3管(8倍),24カ月で4管(16倍)低下するはずである.
現在の2021年のCDCの推奨では,力価が4倍下がらなかった場合,CSFを調べることはもはや推奨されておらず,むしろ力価と神経学的検査に従うようにとされている.
梅毒第2期は“great imitator"と呼ばれる:例えば頸部リンパ節炎の臨床像に類似.
Clin Infect Dis 58: 1577, 2014
.
総論:CDCの性感染症のガイドライン(2021):
MMWR Recomm Rep 70 (RR-4): 1, 2021
;
ヨーロッパ梅毒ガイドライン(2020)
;
N Engl J Med 382: 845, 2020
.
CDCガイドラインのエビデンスについての総説:
Clin Infect Dis 74: S127, 2022
.
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2023/08/28