日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

テトラサイクリン,オキシテトラサイクリン  (2024/05/07 更新)
TC,OTC
主な商品名:アクロマイシン(TC)

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

†:日本にない剤形

 2. 成人用量

通常用量
250~500mg経口6時間ごと
痤瘡
500mg経口1日2回
H. pylori
500mg6時間ごと,併用治療で
野兎病
500mg6時間ごと・少なくとも14日

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
年齢>8歳:25~50mg/kg/日(6時間ごとに分割)
最大/日
2g

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
6~12
半減期(時間)(ESRD)
57~108
用量(腎機能正常)
250~500mg経口6時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl >50~90:250~500mg8~12時間ごと
CrCl 10~50:250~500 mg12~24時間ごと
CrCl<10:250~500 mg24時間ごと
血液透析
250~500mg 24時間ごと
CAPD
250~500mg 24時間ごと
CRRT
250~500mg 12~24時間ごと
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

なし

2. 副作用

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
250, 500mgカプセル
食事に関する推奨(経口薬)1
カプセル:食事なしで服用
経口吸収率(%)
データなし
Tmax(時間)
2~4
最高血清濃度2(μg/mL)
1.5~2.2(250mg経口, SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
20~65
分布容積3(Vd)
1.3 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
6~12
排泄
胆汁,腎
胆汁移行性5(%)
200~3200
脳脊髄液/血液6(%)
わずか
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
なし
AUC8(μg・時間/mL)
30(250mg経口,0~inf)
  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
制酸薬
TC↓
TCを2時間前,または6時間後に投与
アトバコン
アトバコン↓
用量調整または避ける
Bismuth salt
TC↓
TCを2時間前,または6時間後に投与
Didanosine
TC↓
TCを2時間前,または6時間後に投与
ジゴキシン
ジゴキシン↑
モニター,用量調整
鉄剤
TC↓
TCを2時間前,または6時間後に投与
Methoxyflurane
Methoxyflurane↑
モニター,用量調整
スクラルファート
TC↓
TCを2時間前,または6時間後に投与
亜鉛
TC↓
TCを2時間前,または6時間後に投与

6. コメント

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2024/05/03