日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

肺炎-M. catarrhalis  (2020/2/12 更新)
M. catarrhalis 肺炎の特異的治療


臨床状況

  • 鼻咽頭常在菌だが,市中肺炎の原因菌でもあり,慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴うことも多い.
  • 血液培養陽性(まれ)または喀痰グラム染色/培養陽性.ただし,後者は定着を反映している場合もある.
  • ~90%はβラクタマーゼ産生.

病原体

第一選択

  • 経口処方
  • AMPC/CVA 875/125mg経口1日2回・5~7日
  • ST 800mg/160mg経口1日2回・5~7日
  • LVFX 750mg経口24時間ごと・5日
  • 静注処方
  • CTRX 1g静注24時間ごと・5~7日
  • LVFX 750mg静注24時間ごと・5日

第二選択

  • DOXY 100mg経口/静注†12時間ごと・5~7日
  • AZM 初日500mg経口,その後250mg経口・2~5日目

(†:日本にない剤形)

抗微生物薬適正使用

  • M. catarrhalis は薬剤感受性の高い微生物だが,βラクタマーゼ産生のためにAMPCおよびペニシリンには例外的に耐性.ほとんどの場合5~7日の治療で十分.

コメント

  • 解熱後3~5日治療する場合もある.
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2020/02/06