日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Mycobacterium kansasii  (2023/1/17 更新)
非結核性抗酸菌


臨床状況

  • 免疫正常者では肺感染.
  • HIV/AIDS患者では播種性感染.
  • 予後は免疫抑制のレベルに関連する.

病原体

  • Mycobacterium kansasii

第一選択

  • ([INH 300mg+ピリドキシン 50mgまたはAZM 250~500mg]+RFP 600mg+EB 15mg/kg)経口24時間ごと
  • 処方傾向はINHからマクロライドに移行しつつある
  • 喀痰培養陰性が12カ月持続するまで治療
  • RFP耐性菌
  • 活性のある少なくとも3剤を含む処方,たとえば(EB 15mg/kg+MFLX 400mg+AZM 250~500mg)すべて経口1日1回
  • 喀痰培養陰性が12カ月持続するまで治療

第二選択

  • RFP感受性菌による結節性/気管支拡張型病変では,以下のような週3回処方が用いられることがある:
  • 喀痰培養陰性が12カ月持続するまで治療
  • 3週処方治療は,INHと用いる場合,またはHIV感染患者で空洞病変に対して用いるのは推奨されない:データがないため.
  • AZMに代えてCAM 500mg1日2回を用いてもよい
  • RFPをRBT 300mg1日1回(CAMを用いる場合は,相互作用の点から150mg)または300mg週3回に代えてもよい

抗微生物薬適正使用

  • マクロライドとRFPの感受性を確認すること:MIC値が臨床反応と相関しないため,CLSIはINHやEBの感受性検査は推奨していない(J Clin Microbiol 57: e00834, 2019
  • AMKとSMはルーチンの使用は推奨されないが,処方中にRFPが使用できない場合には選択肢となることもある.
  • RFP耐性菌または薬剤に不耐の場合には,AMK, CPFX, DOXY, LZD, MINO, MFLX,STの感受性を確認すること.

コメント

  • 分離菌はすべてPZA耐性.
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2024 Life Science Publishing↑ page top
2023/01/12