日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Mycobacterium genavense  (2023/05/30 更新)
非結核性抗酸菌


臨床状況

  • 水中や健康な人の消化管に存在するため,無菌でない部位(気道など)から分離された場合には,コロニー形成と真の感染を鑑別することが重要である.
  • HIV患者およびHIVではないが重度の免疫不全のある患者で,播種性感染が起こる.
  • 発熱,腹痛,リンパ節腫脹,骨髄症状が多くみられる.
  • 偏好性細菌
  • BACTECバイアルでは成長は遅い(平均42日).
  • 2μg/mL mycobactin Jを含有するMiddlebrook 7H11寒天培地でのみ増殖するが,in vitro感受性テストには不十分で,一般には行われない.

病原体

  • Mycobacterium genavense

第一選択

  • 3剤併用治療,たとえば[CAM 500mg経口1日2回,またはAZM 250~500mg経口1日1回]+EB 15 mg/kg経口1日1回+[RBT 300mg経口1日1回,またはRFP 600mg1日1回]

第二選択

  • CLF 100mg経口1日1回,またはAMK 15~25mg/kg静注週3回,またはMFLX 100mg経口1日1回は,上記第一選択薬の代替薬として用いられるか,あるいは効果がみられない患者に追加投与されることもある.

抗微生物薬適正使用

  • 培養が陰性となった後12ヵ月治療;持続的な免疫抑制のある患者では,より長期の,あるいは生涯にわたる治療が必要となることもある.

コメント

  • マクロライド系薬を含む処方がもっとも有効であるようだ.
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2023/05/29