日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

髄膜炎-無菌性,急性HIV感染  (2024/09/24 更新)


臨床状況

  • 急性/初期のHIV感染.
  • 発熱,頭痛,髄膜症状,悪心,嘔吐,光過敏症,斑状疹.
  • 神経学的巣症状と精神症状は典型例ではみられないが,起こることもある.
  • 多くの症例では自覚症状の持続期間は短く,1週間未満.
  • 髄液所見では,グルコースは正常,蛋白は軽度上昇を示すが正常,リンパ球増加がみられるが通常は数百.

病原体

  • HIV

第一選択

  • 慢性HIV治療と同様の,以下の処方を用いる
  • ビクタルビ(テノホビルアラフェナミド(TAF)25mg+エムトリシタビン 200mg+ビクテグラビル50mg)1錠1日1回(コメント参照)

第二選択

コメント

  • どの処方を選択した場合でも,薬物相互作用に注意すること.
  • 妊婦の場合
  • 妊娠第1期の妊婦,妊娠を望んでおり妊娠の可能性のある女性,性生活があり有効な避妊法を用いていない女性では,初期治療としてドルテグラビルは推奨されない.
  • 検査の結果,HIV血清学的検査陰性(ただし,より新しいタイプの検査法なら遅くとも2週間以内にセロコンバージョンが検出できることもある),セロコンバージョン,高いHIVウイルス量が確認されることがある.
  • 初期の(すみやかな)治療が理想的.抗レトロウイルス治療開始前にウイルス耐性をチェックするが,結果が出るまで抗レトロウイルス治療開始を遅らせてはならない(耐性検査結果が得られたときに処方の調整が可能).
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2024/09/24