日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ダルナビル  (2024/05/28 更新)
DRV
主な商品名:プリジスタ,プリジスタナイーブ

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
[DRV 600mg+リトナビル 100mg]経口1日2回,食事とともに
または
[DRV 800mg(400mg錠2錠)+リトナビル 100mg]経口24時間ごと,食事とともに(未治療患者で推奨される処方)

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
新生児:承認されていない

年齢<3歳または体重<10kg:使用を避ける
年齢≧3歳;未治療または既治療±1つ以上のDRV変位
体重10~<11 kg:200mg(+RTV 32mg)12時間ごと
体重11~<12 kg:220mg(+RTV 32mg)12時間ごと
体重12~<13 kg:240mg(+RTV 40mg)12時間ごと
体重13~<14 kg:260mg(+RTV 40mg)12時間ごと
体重14~<15 kg:280mg(+RTV 48mg)12時間ごと
体重15~<30 kg:375mg(+RTV 48mg)12時間ごと
体重30~<40 kg:450mg(+RTV 100mg)12時間ごと
体重≧40 kg:600mg(+RTV 100mg)12時間ごと

青少年(年齢≧12歳)
≧39~40kg未治療/既治療±≧1 DRV変異:450mg(+RTV 100mg)12時間ごと
≧40kg未治療/既治療・DRV変異なし:800mg(+RTV 100mg)24時間ごと(RTVをコビシスタット150mg24時間ごとに替えてもよい)
≧40kg未治療/既治療・≧1 DRV変異:600mg(+RTV 100mg)12時間ごと
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
15
半減期(時間)(ESRD)
データなし
用量(腎機能正常)
600mg経口12時間ごと(リトナビルの場合)
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
用量調整不要
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
プロテアーゼ阻害薬(PI)
剤形
75mg†,150mg†,600mg,800mg錠
経口懸濁液†:100mg/mL
(注:日本では300mg,600mg,800mg錠がある)
通常成人用量
600mg(+リトナビル100mg)経口1日2回
食事に関する推奨1
食事とともに服用(錠/懸濁液)
経口吸収率(%)
82
Tmax(時間)
2.5~4.0
最高血清濃度2(μg/mL)
3.5(600mg12時間ごと,SS)(+RTV 100mg12時間ごと)
蛋白結合(%)
95
分布容積3(Vd)
2 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
15
排泄
代謝
細胞内半減期(T1/2, 時間)
データなし
脳脊髄液/血液5(%)
データなし
中枢神経系移行効果(CPE)6
3
AUC7(μg・時間/mL)
116.8 (600mg12時間ごと,0~24時間)(+RTV 100mg12時間ごと)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 炎症時における脳脊髄液濃度
  6. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  7. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CYP450の基質
3A4
トランスポーターの基質

CYP450阻害
3A4
トランスポーター阻害

CYP450誘導
  
トランスポーター誘導

血清中薬物濃度への影響

⾎清中薬物濃度への影響は,当該抗微⽣物薬により影響を受ける併⽤薬の⾎清中濃度である.↑:上昇,↓:低下,空⽩:薬物への影響なし.

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
Alfuzosin
Alfuzosin↑
禁忌
アミオダロン
アミオダロン↑
モニター,用量調整
アムロジピン
アムロジピン↑
モニター
アピキサバン
アピキサバン↑
用量調整
アルテメテル/ルメファントリン
アルテメテル↑,DHA↓,ルメファントリン↑
QT延長をモニター
アトルバスタチン
アトルバスタチン↑
モニター,用量調整
Avanafil
Avanafil↑
併用を避ける
ベプリジル
ベプリジル↑
モニター,用量調整
ベタメタゾン
ベタメタゾン↑
併用を避ける
ボセンタン
ボセンタン↑
モニター,用量調整
ブデソニド
ブデソニド↑
併用を避ける
ブプレノルフィン
ノルブプレノルフィン(代謝物)
モニター
ブプレノルフィン/ナロキソン
ノルブプレノルフィン(代謝物)
モニター
ブスピロン
ブスピロン↑
モニター,用量調整
カルバマゼピン
カルバマゼピン↑
モニター,用量調整
カルベジロール
カルベジロール↑
モニター,用量調整
クラリスロマイシン
クラリスロマイシン↑(腎障害の場合)
用量調整
クロナゼパム
クロナゼパム↑
モニター
コルヒチン
コルヒチン↑
腎/肝障害では禁忌,用いるなら用量調整,モニター
シクロスポリン
シクロスポリン↑
モニター
ダサチニブ
ダサチニブ↑
用量調整
デキサメタゾン
デキサメタゾン↑,DRV↓
併用を避ける
ジアゼパム
ジアゼパム↑
モニター,用量調整
ジゴキシン
ジゴキシン↑
モニター,用量調整
Dihydroergotamine
Dihydroergotamine↑
禁忌
ジルチアゼム
ジルチアゼム↑
モニター
ジソピラミド
ジソピラミド↑
モニター,用量調整
Dronedarone
Dronedarone↑
禁忌
Elbasvir/Grazoprevir
Elbasvir↑,Grazoprevir↑
禁忌
エプレレノン
エプレレノン↑
禁忌
エルゴタミン
エルゴタミン↑
禁忌
エスタゾラム
エスタゾラム↑
モニター,用量調整
エチニルエストラジオール
エチニルエストラジオール↑
他の方法を用いる
エベロリムス
エベロリムス↑
併用を避ける
フェロジピン
フェロジピン↑
モニター
フェンタニル
フェンタニル↑
モニター
フェソテロジン
フェソテロジン↑
フェソテロジン最大用量4mg1日1回
フレカイニド
フレカイニド↑
併用を避ける
フルチカゾン
フルチカゾン↑
併用を避ける
グレカプレビル/ピブレンタスビル
グレカプレビル↑,ピブレンタスビル↑
併用を避ける
イリノテカン
イリノテカン↑
併用を避ける
Isavuconazole
Isavuconazole↑,DRV↑
モニター,用量調整
イトラコナゾール
イトラコナゾール↑,DRV↑
モニター,用量調整
Ivabradine
Ivabradine↑
禁忌
リドカイン
リドカイン↑
モニター,用量調整
ケトコナゾール
ケトコナゾール↑,DRV↑
モニター,用量調整
ロミタピド
ロミタピド↑
禁忌
ロバスタチン
ロバスタチン↑
禁忌
ルラシドン
ルラシドン↑
禁忌
Methadone
Methadone↓
モニター,用量調整
メチルプレドニゾロン
メチルプレドニゾロン↑
併用を避ける
メトプロロール
メトプロロール↑
モニター,用量調整
メキシレチン
メキシレチン↑
モニター,用量調整
ミダゾラム(経口)
ミダゾラム↑
禁忌
ミダゾラム(静注)
ミダゾラム↑
モニター,用量調整
モメタゾン
モメタゾン↑
併用を避ける
Naloxegol
Naloxegol↑
禁忌
ニカルジピン
ニカルジピン↑
モニター
ニフェジピン
ニフェジピン↑
モニター
ニロチニブ
ニロチニブ↑
用量調整
Norethindrone
Norethindrone↓
他の方法を用いる
オメプラゾール
オメプラゾール↓
モニター,用量調整
他のARV薬
抗レトロウイルス薬間の薬物相互作用を参照
オキシコドン
オキシコドン↑
モニター
パロキセチン
パロキセチン↓
モニター,用量調整
ペルフェナジン
ペルフェナジン↑
モニター,用量調整
フェノバルビタール
フェノバルビタール↓
モニター
フェニトイン
フェニトイン↓
モニター
ピモジド
ピモジド↑
禁忌
プラバスタチン
プラバスタチン↑
モニター,用量調整
Prednisone
Prednisone↑
併用を避ける
Propafenone
Propafenone↑
モニター,用量調整
クエチアピン
クエチアピン↑
用量調整または避ける
キニジン
キニジン↑
モニター,用量調整
Ranolazine
Ranolazine↑
禁忌
リファブチン
リファブチン(+代謝物),DRV↑
モニター,用量調整
リファンピシン
DRV↓
禁忌
Rifapentine
DRV↓
併用を避ける
リスペリドン
リスペリドン↑
モニター,用量調整
Rivaroxaban
Rivaroxaban↑
併用を避ける
ロスバスタチン
ロスバスタチン↑
モニター,用量調整
サルメテロール
サルメテロール↑
併用を避ける
セルトラリン
セルトラリン↓
モニター,用量調整
シルデナフィル(EDに対して)
シルデナフィル↑
モニター,用量調整
シルデナフィル(肺動脈性肺高血圧症に対して)
シルデナフィル↑
禁忌
Simeprevir
Simeprevir↑,DRV↑
併用を避ける
シンバスタチン
シンバスタチン↑
禁忌
シロリムス
シロリムス↑
モニター
ソリフェナシン
ソリフェナシン↑
ソリフェナシン最大用量5mg1日1回
セイヨウオトギリソウ
DRV↓
禁忌
タクロリムス
タクロリムス↑
モニター
タダラフィル(EDに対して)
タダラフィル↑
モニター,用量調整
タダラフィル(肺動脈性肺高血圧症に対して)
タダラフィル↑
モニター,用量調整
テノホビルジソプロキシル
テノホビル↑
モニター
チモロール
チモロール↑
モニター,用量調整
チオリダジン
チオリダジン↑
モニター,用量調整
チカグレロル
チカグレロル↑
併用禁忌
トラマドール
トラマドール↑
モニター,用量調整
トラゾドン
トラゾドン↑
用量調整
トリアムシノロン
トリアムシノロン↑
併用を避ける
トリアゾラム
トリアゾラム↑
併用禁忌
三環系抗うつ薬(TCA)
TCA↑
用量調整
ベルデナフィル
ベルデナフィル↑
モニター,用量調整
ベラパミル
ベラパミル↑
モニター
ビンブラスチン
ビンブラスチン↑
併用を避ける
ビンクリスチン
ビンクリスチン↑
併用を避ける
ボリコナゾール
ボリコナゾール↓
併用を避ける
ワルファリン
ワルファリン↓,INR↓
INRをモニター,用量調整
ゾルピデム
ゾルピデム↑
モニター,用量調整
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2024/05/27