|   | 日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版   | 
| ビクタルビ(BIC/FTC/TAF)  (2025/02/12 更新) | 
| 「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい. | 
Contents
1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント
1. 用法および用量
 1. 使用
 2. 成人用量
 3. 小児用量
| 用量(生後>28日) | 体重<14kg:データなし,研究が進行中 体重14~<25kg:(BIC 30mg,FTC 120mg,TAF 15mg)24時間ごと 体重≧25kg:(BIC 50mg,FTC 200mg,TAF 25mg)24時間ごと | 
| 最大/日 | - | 
 4. 腎障害時の用量調整
| 半減期(時間)(腎機能正常) | BIC:17.3 FTC:10 TAF:0.51 | 
| 半減期(時間)(ESRD) | BIC:データなし FTC:>10 TAF:データなし | 
| 用量(腎機能正常) | 1錠経口24時間ごと | 
| CrClまたはeGFR | CrCl≧30:1錠24時間ごと CrCl<30:使用しない(血液透析参照) | 
| 血液透析 | 透析を行っており,ウイルスが抑制されている:1錠24時間ごと,透析日には透析後投与 透析を行っており,ウイルスは抑制されていない:使用しない | 
| CAPD | 使用しない | 
| CRRT | 使用しない | 
| SLED | 使用しない | 
 5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
副作用
妊娠時のリスク
妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
| 分類 | インテグラーゼ阻害薬(INSTI)+ヌクレオシ(チ)ド逆転写酵素阻害薬(NRTI)2剤 | ||
| 剤形 | 錠:BIC 50mg+FTC 200mg+TAF 25mg | ||
| 食事に関する推奨(経口薬)1 | 錠:食事の影響を受けない | ||
| 経口吸収率(%) | BIC:データなし FTC:データなし TAF:データなし | ||
| Tmax(時間) | BIC:2~4 FTC:1.5~2 TAF:0.5~2 | ||
| 最高血清濃度2(μg/mL) | BIC:6.15(50mg24時間ごと,SS) FTC:2.13(200mg24時間ごと,SS) TAF:0.121(25mg24時間ごと,SS) | ||
| 蛋白結合(%) | BIC:>99 FTC:<4 TAF:約80 | ||
| 分布容積3(Vd) | BIC:データなし FTC:データなし TAF:データなし | ||
| 平均血清半減期4(T1/2, 時間) | BIC:17.3 FTC:10.4 TAF:0.51 | ||
| 排泄 | BIC:代謝 FTC:腎 TAF:代謝 | ||
| 細胞内半減期(T1/2, 時間) | BIC:データなし FTC:39 TAF:データなし | ||
| 脳脊髄液/血液5(%) | BIC:データなし FTC:データなし TAF:データなし | ||
| 中枢神経系移行効果(CPE)6 | BIC:データなし FTC:3 TAF:データなし | ||
| AUC7(μg・時間/mL) | BIC:102(50mg24時間ごと,0~24時間) FTC:12.3(200mg24時間ごと,0~24時間) TAF:0.142(25mg24時間ごと,0~24時間) | ||
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
| 薬剤がCYP450の基質となる | BIC:CYP3A | 
| 薬剤がトランスポーターの基質となる | TAF:PGP,BCRP | 
| 薬剤がUGTの基質となる | BIC:UGT1A1 | 
| 薬剤がCYP450を阻害 | - | 
| 薬剤がトランスポーターを阻害 | BIC:OCT2,MATE1 | 
| 薬剤がUGTを阻害 | - | 
| 薬剤がCYP450を誘導 | - | 
| 薬剤がトランスポーターを誘導 | - | 
| 薬剤がUGTを誘導 | - | 
| 血清中薬物濃度への影響 | ↑ | 
血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度についてのこと.↑:上昇,↓:低下
6. 主要な薬物相互作用
| 薬剤 | 濃度への影響 | 対策 | 
| Al/Mg/Ca含有制酸薬 | BIC↓ | 制酸薬の2時間前にビクタルビを服用 | 
| Ca/Fe含有サプリメント | BIC↓ | ビクタルビとサプリメントを食事とともに服用 | 
| カルバマゼピン | BIC↓, TAF↓ | 他の抗けいれん薬を考慮 | 
| Dofetilide | Dofetilide↑ | 禁忌 | 
| メトホルミン | メトホルミン↑ | 慎重に使用,メトホルミンPIをチェック | 
| Nirmatrelvir/リトナビル | BIC↑,TAF↑ | モニター,さらなる情報を求める | 
| Oxacarbazepine | BIC↓, TAF↓ | 他の抗けいれん薬を考慮 | 
| フェノバルビタール | BIC↓, TAF↓ | 他の抗けいれん薬を考慮 | 
| フェニトイン | BIC↓, TAF↓ | 他の抗けいれん薬を考慮 | 
| リファブチン | BIC↓, TAF↓ | 併用を避ける | 
| リファンピシン | BIC↓, TAF↓ | 禁忌 | 
| Rifapentine | BIC↓, TAF↓ | 併用を避ける | 
| セイヨウオトギリソウ | BIC↓, TAF↓ | 併用を避ける | 
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