日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ビクタルビ(BIC/FTC/TAF)  (2026/04/21 更新)
主な商品名:ビクタルビ

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

用法
通常
用量
1錠経口24時間ごと
その他の処方用量
  
追加的情報
食事の影響はうけない.
1錠:BIC 50mg,FTC 200mg,TAF 25mg
錠剤の経口摂取が困難な場合,粉砕または溶解した薬剤の経腸チューブを介しての投与は,効果的な代替手段となるようだ(Open Forum Infect Dis 12: ofa588, 2025

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
体重<14kg:データなし,研究が進行中
体重14~<25kg:(BIC 30mg,FTC 120mg,TAF 15mg)24時間ごと
体重≧25kg:(BIC 50mg,FTC 200mg,TAF 25mg)24時間ごと
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
BIC:17.3
FTC:10
TAF:0.51
半減期(時間)(ESRD)
BIC:データなし
FTC:>10
TAF:データなし
用量(腎機能正常)
1錠経口24時間ごと
腎障害時の用量
CrCl≧30:1錠24時間ごと
CrCl<30:使用しない(血液透析参照)
血液透析
透析を行っており,ウイルスが抑制されている:1錠24時間ごと,透析日には透析後投与
透析を行っており,ウイルスは抑制されていない:使用しない
CAPD
使用しない
CRRT
使用しない
SLED
使用しない

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

  1. PLLR(2015年6月)は,段階的な実施スケジュールに従って以前のリスク区分(A,B,C,D,X)を記述形式に置き換えた(P&T 41: 713, 2016).
  2. 文献:JAMA 333: 609, 2025

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

分類
インテグラーゼ阻害薬(INSTI)+ヌクレオシ(チ)ド逆転写酵素阻害薬(NRTI)2剤
剤形
錠:BIC 50mg+FTC 200mg+TAF 25mg
食事に関する推奨(経口薬)1
錠:食事の影響を受けない
経口吸収率(%)
BIC:データなし
FTC:データなし
TAF:データなし
Tmax(時間)
BIC:2~4
FTC:1.5~2
TAF:0.5~2
最高血清濃度2(μg/mL)
BIC:6.15(50mg24時間ごと,SS)
FTC:2.13(200mg24時間ごと,SS)
TAF:0.121(25mg24時間ごと,SS)
蛋白結合(%)
BIC:>99
FTC:<4
TAF:約80
分布容積3(Vd)
BIC:データなし
FTC:データなし
TAF:データなし
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
BIC:17.3
FTC:10.4
TAF:0.51
排泄
BIC:代謝
FTC:腎
TAF:代謝
細胞内半減期(T1/2, 時間)
BIC:データなし
FTC:39
TAF:データなし
脳脊髄液/血液5(%)
BIC:データなし
FTC:データなし
TAF:データなし
中枢神経系移行効果(CPE)6
BIC:データなし
FTC:3
TAF:データなし
AUC7(μg・時間/mL)
BIC:102(50mg24時間ごと,0~24時間)
FTC:12.3(200mg24時間ごと,0~24時間)
TAF:0.142(25mg24時間ごと,0~24時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 炎症時における脳脊髄液濃度
  6. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  7. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

薬剤が基質となるCYP4501
BIC:CYP3A
薬剤が基質となるトランスポーター
BIC:PGP,BCRP
TAF:PGP,BCRP
薬剤がUGTの基質となる
BIC:UGT1A1
薬剤が阻害するCYP450

薬剤が阻害するトランスポーター
BIC:OCT2,MATE1
薬剤が阻害するUGT

薬剤が誘導するCYP450
-  
薬剤が誘導するトランスポーター
- 
薬剤が誘導するUGT

併用薬への影響2

  1. CYP450命名法,例,CYP3A4:3=ファミリー,A=サブファミリー,4=酵素アイソフォーム
  2. 当該抗微生物薬により影響を受ける可能性のある併用薬の血清中濃度のことをいう(↑:上昇,↓:低下).

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
対策
Al/Mg含有制酸薬
BIC↓
Al/Mg含有制酸薬の少なくとも2時間前または6時間後にビクタルビを服用
Ca/Fe含有サプリメント
BIC↓
食事と同時に服用してよい
カルバマゼピン
BIC↓, TAF↓
併用を避ける
Dofetilide
Dofetilide↑
禁忌
メトホルミン
メトホルミン↑
モニター,用量調整
Nirmatrelvir/リトナビル
BIC↑,TAF↑
モニター,さらなる情報を求める
Oxacarbazepine
BIC↓, TAF↓
他の抗けいれん薬を考慮
フェノバルビタール
BIC↓, TAF↓
他の抗けいれん薬を考慮
フェニトイン
BIC↓, TAF↓
他の抗けいれん薬を考慮
リファブチン
BIC↓, TAF↓
併用を避ける
リファンピシン
BIC↓, TAF↓
禁忌
Rifapentine
BIC↓, TAF↓
併用を避ける
セイヨウオトギリソウ
BIC↓, TAF↓
併用を避ける
スクラルファート
BIC↓
スクラルファートの少なくとも2時間前または6時間後にビクタルビを服用

7. コメント

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2026/04/20