日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ビクタルビ(BIC/FTC/TAF)  (2024/09/24 更新)
主な商品名:ビクタルビ

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
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Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
年齢<2歳,体重<14kg:データなし,研究が進行中
年齢≧2歳,体重14~<25kg:1錠(BIC 30mg,FTC 200mg,TAF 15mg)経口24時間ごと
体重≧25kg:1錠(BIC 50mg,FTC 200mg,TAF 25mg)24時間ごと
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
BIC:17.3
FTC:10
TAF:0.51
半減期(時間)(ESRD)
BIC:データなし
FTC:>10
TAF:データなし
用量(腎機能正常)
1錠経口24時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl≧30:1錠24時間ごと
CrCl<30:使用しない(血液透析参照)
血液透析
透析を行っており,ウイルスが抑制されている:1錠24時間ごと,透析日には透析後投与
透析は行っておらず,ウイルスは抑制されていない:使用しない
CAPD
使用しない
CRRT
使用しない
SLED
使用しない

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

分類
インテグラーゼ阻害薬(INSTI)+ヌクレオシ(チ)ド逆転写酵素阻害薬(NRTI)2剤
剤形
錠:BIC 50mg+FTC 200mg+TAF 25mg
食事に関する推奨(経口薬)1
錠:食事の影響を受けない
経口吸収率(%)
BIC:データなし
FTC:データなし
TAF:データなし
Tmax(時間)
BIC:2~4
FTC:1.5~2
TAF:0.5~2
最高血清濃度2(μg/mL)
BIC:6.15(50mg24時間ごと,SS)
FTC:2.13(200mg24時間ごと,SS)
TAF:0.121(25mg24時間ごと,SS)
蛋白結合(%)
BIC:>99
FTC:<4
TAF:約80
分布容積3(Vd)
BIC:データなし
FTC:データなし
TAF:データなし
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
BIC:17.3
FTC:10.4
TAF:0.51
排泄
BIC:代謝
FTC:腎
TAF:代謝
細胞内半減期(T1/2, 時間)
BIC:データなし
FTC:39
TAF:データなし
脳脊髄液/血液5(%)
BIC:データなし
FTC:データなし
TAF:データなし
中枢神経系移行効果(CPE)6
BIC:データなし
FTC:3
TAF:データなし
AUC7(μg・時間/mL)
BIC:102(50mg24時間ゴト,0~24時間)
FTC:12.3(200mg24時間ゴト,0~24時間)
TAF:0.142(25mg24時間ゴト,0~24時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 炎症時における脳脊髄液濃度
  6. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  7. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CY450の基質
3A4
トランスポーターの基質
UGT1A1
CYP450の阻害
  
トランスポーターの阻害
OCT2,MATE1
CYP450誘導
  
トランスポーターの誘導
  
血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
対策
Al/Mg/Ca含有制酸薬
BIC↓
制酸薬の2時間前にビクタルビを服用
Ca/Fe含有サプリメント
BIC↓
ビクタルビとサプリメントを食事とともに服用
カルバマゼピン
BIC↓, TAF↓
他の抗けいれん薬を考慮
Dofetilide
Dofetilide↑
禁忌
メトホルミン
メトホルミン↑
慎重に使用,メトホルミンPIをチェック
Nirmatrelvir/リトナビル
BIC↑,TAF↑
モニター,さらなる情報を求める
Oxacarbazepine
BIC↓, TAF↓
他の抗けいれん薬を考慮
フェノバルビタール
BIC↓, TAF↓
他の抗けいれん薬を考慮
フェニトイン
BIC↓, TAF↓
他の抗けいれん薬を考慮
リファブチン
BIC↓, TAF↓
併用を避ける
リファンピシン
BIC↓, TAF↓
禁忌
Rifapentine
BIC↓, TAF↓
併用を避ける
セイヨウオトギリソウ
BIC↓, TAF↓
併用を避ける

7. コメント

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2024/09/24