日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

梅毒-晩期  (2026/04/07 更新)
罹病期間>1年の潜伏梅毒の治療


臨床状況

  • 晩期梅毒:晩期梅毒:晩期潜伏梅毒と3期梅毒(心血管梅毒,ゴム腫梅毒,結核梅毒,全身麻痺,神経梅毒)が含まれる.晩期潜伏梅毒とは,感染期間が1年以上,または感染期間が不明で,無症候性(徴候や症状がない)の梅毒を指す.
  • 晩期梅毒は,感染臓器によってさまざまな症状を引き起こす.中枢神経,耳,眼梅毒に対しては注射治療を行う.
  • 皮膚:ゴム腫(隆起したゴム状の腫瘍),皮膚病変,発疹
  • :関節痛,変形,骨折
  • 脳および神経系:神経梅毒-認知症,麻痺,けいれん,認知障害などを呈する
  • 心臓および血管:疣贅,心臓弁傷害
  • 眼:視覚障害,失明
  • 肝臓:肝障害

診断/病原体

診断
  • 3期梅毒は,最初の感染から数十年後に発症する
病原体

第一選択

  • DBECPCG 240万単位筋注週1回を3週=計720万単位
  • 晩期潜伏性梅毒患者に対し,DBECPCGの10~14日間隔投与を行ってもよい.そうでなければ上記の治療を開始する.
  • 妊婦で治療が遅延して>9日投与間隔が開いている場合は,全治療行程を繰り返す必要がある.

第二選択

  • DOXY 100mg経口1日2回・28日,またはTC 500mg経口1日4回・28日(中枢神経には推奨されない)
  • CTRX 1g筋注/静注24時間ごと・10~14日,ただし至適用量および治療期間の明確な定義はない.
  • 経過観察は必須.晩期梅毒では,早期梅毒と比べて長い治療期間が推奨されるが,どれだけの治療期間が必要となるかは不明である.
  • 代替薬として最も堅牢な臨床データがあるのはDOXYである.

治療期間/抗微生物薬適正使用

治療期間
  • 上記参照
抗微生物薬適正使用
  • マクロライド系薬に対する耐性の増加が明らかになっている.

コメント

  • すべての梅毒患者でHIV検査を,すべてのHIV感染者で梅毒の検査を行うこと.
  • HIV患者の梅毒は非HIV患者の場合と同様に治療する.
  • 定量的非トレポネーマ血清学検査は6,12,24カ月後に繰り返して行う.24カ月後に1/4低下しなければ,年間にわたる力価と臨床状態のフォローが必要となるだろう.フォローアップで可能性が低いか,初期力価>1:32で反応がなければ,DBECPCG 240万単位筋注3週による再治療を考慮する.
  • 神経学的症状または徴候がある場合は脳脊髄液の評価が推奨され,その結果に基づいて治療を行う.米国では,無症候性の晩期梅毒におけるルーチンの腰椎穿刺の意義には疑問がもたれており(Clin Infect Dis 61(Suppl 8): S818, 2015),現在の2021年CDC性感染症ガイドライン(MMWR Recomm Rep 70(RR-4): 1, 2021)では推奨されていない.脳脊髄液検査で陰性であれば,DBECPCG 240万単位筋注3週による再治療を行う.
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2026/04/07