日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Mycobacterium haemophilum  (2024/10/29 更新)
非結核性抗酸菌


臨床状況

  • 潰瘍性皮膚病変,腱滑膜炎,指炎,骨髄炎,呼吸器感染症のまれな原因菌であり,播種性疾患は免疫不全者に多い.
  • 免疫正常な小児および成人での頸顔面感染症およびリンパ腺炎.

診断/病原体

診断
  • 診断に際し,菌の分離にはクエン酸鉄アンモニウム,ヘミン,ヘモグロビンのような鉄含有化合物を含んだ特殊な培地が必要で,28~30℃で最も増殖する.
病原体
  • Mycobacterium haemophilum

第一選択

  • CPFX 750mg経口1日2回+RBT 300mg経口1日1回+CAM 500mg経口1日2回・6~12カ月

第二選択

  • 上記RBTをRFP 600mg1日1回に替えてもよい
  • マクロライド(CAM上記用量,またはAZM 250~500mg1日1回)+フルオロキノロン系薬1剤(CPFX上記用量,またはLVFX 750mg1日1回)という2剤処方は,限局性の皮膚感染では考慮してもよい

抗微生物薬適正使用

  • より重症,広範囲または播種性の疾患ではより長期の治療(たとえば12カ月)が推奨される.限局性の皮膚感染なら3~6カ月で十分なことがある.

コメント

  • 外科的デブリドマンが必要となることがあり,免疫正常者の局所性疾患,たとえば頸顔面リンパ節炎では切除が根治的治療である.
  • 多くの場合はINH,EB,PZAに耐性.
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2024/10/28