日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ライム病-関節炎  (2024/06/18 更新)


臨床状況

  • 関節炎はライム病の後期の症状として発現する.
  • 未治療患者での発現率は<10%から60%まで報告により異なる.
  • 最も多いのは膝の単関節炎または少関節炎.
  • 滑液:500~>10万/μL,好中球優位.
  • 関節液のPCRで検出できることもある.ただし,抗体検査が望ましい診断法であり,関節液のPCRは,結果が不確実の場合の確認検査として有用である.

病原体

第一選択

  • 成人:
  • DOXY 100mg経口1日2回・28日
  • AMPC 500mg経口1日3回・28日
  • CXM-AX 500mg経口1日2回・28日
  • 小児:
  • DOXY 2.2mg/kg経口1日2回・28日
  • AMPC 50mg/kg/日経口・1日3回に分割・28日
  • CXM-AX 30mg/kg/日経口1日2回に分割・28日
  • 注:CXM懸濁液は米国では入手できないが,他の市場では入手可能なこともある.
  • 症状緩和のためにNSAIDsを追加する.
  • 部分的にしか奏効しない場合は,さらに2~4週治療する(CTRXが望ましい);それが無効ならばリウマチ専門医に紹介する.

第二選択

  • 成人:
  • CTRX 2g静注24時間ごと・14~28日
  • PCG 2000万~2400万単位/日静注・14~28日
  • 小児(8歳以上):CTRX 50~75mg/kg/日静注・14~28日
  • 部分的にしか奏効しない場合は,さらに30日治療する.

抗微生物薬適正使用

コメント

  • 後期ライム病が治療に反応して改善するには数週間~数カ月かかる.
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2024 Life Science Publishing↑ page top
2024/06/17