日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

咬傷-ネコ  (2025/04/15 更新)


臨床状況

  • ネコによる咬み傷・ひっかき傷.
  • 感染率80%,培養し経験的治療を行うこと.Pasteurella multocida 感染は24時間以内に発症する.

病原体

  • Pasteurella multocida
  • Staphylococcus aureus
  • Capnocytophaga
  • Bartonella henselae
  • 口腔内嫌気性菌

第一選択

  • AMPC/CVA(875/125mg 経口1日2回または500/125mg経口1日3回)

第二選択

  • CXM-AX 500mg経口12時間ごとまたはDOXY 100mg経口1日2回
  • 臨床的には感染していないがリスクのある咬傷(関節近く,手,顔,性器周辺など危険性が高い箇所を含む)に対する予防
  • 創部の培養でP. multocida のみが陽性の場合,PCG静注またはPenicillin VK経口に変更可能

コメント

  • P. multocida はDicloxacillin,CEX,CLDMに耐性を示す.in vitroではフルオロキノロンに感受性あり.Ceftarolineにも感受性.CeftarolineはPasteurella属およびMRSAに対して活性.
  • 多くの菌株はAZMに感受性があるようだが,臨床データはない.
  • 臨床的には感染していないがリスクのある咬傷(関節近く,手,顔,性器周辺など危険性が高い箇所を含む),深い創傷,免疫不全者に対する予防
  • 貫通性咬傷での狂犬病の考慮
  • 動物が健康そうなら10日間観察,動物が狂犬病の臨床症状を示したらPEPを行う
  • 動物に狂犬病の疑いがあれば,ただちにPEPを行う
  • 逃げられてしまった場合:地域の公衆衛生機関に相談:
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2025/04/14