日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Bacillary angiomatosis,紫斑病  (2026/04/14 更新)
Bartonella:Bacillary angiomatosis,Bacillary peliosis


臨床状況

  • Bacillary antiomatosisはBartonella属によって引き起こされる血管増殖性疾患である.
  • 特に免疫不全者で発症する
  • AIDS発症(CD4数<100/μL)のHIV陽性患者
  • 癌患者および/または固形臓器移植患者
  • 症状
  • 合併症なし:発熱,多様な形態(丘疹,結節,有茎性)を伴う皮膚病変(しばしばカポジ肉腫と間違えられる)だが,つねに血管性.
  • 合併症あり:播種して骨,粘膜,中枢神経系の感染を起こすことがある.不明熱や心内膜炎として表れることもある.
  • Bacillary peliosis:細菌コロニーを含む肝臓(肝膿瘍と鑑別)や膵臓の膿疱性血管病変.
  • 診断
  • 抗体価の上昇
  • 病変組織/生検の組織学検査またはPCR.組織学検査:銀染色変法(Warthin-Starry染色など)を使用し,多くの桿菌が典型的にみられる.組織グラム染色,抗酸菌染色は陰性
  • 本疾患による肝臓病変が疑われ生検を計画するときには特に注意が必要.血管が非常に多く,大量出血を起こしやすい.

病原体

  • Bartonella henselae
  • Bartonella quintana

第一選択

  • 合併症なし(非播種性)の感染
  • DOXY 100mg静注†または経口1日2回・3カ月以上,または
  • EM 500mg経口6時間ごと・3カ月以上,または
  • AZM 500mg経口1日1回・3カ月以上
  • 合併症あり(播種性)の感染:たとえば,中枢神経感染
  • DOXY 100mg静注†または経口1日2回+RFP 300mg経口1日2回)・4カ月またはそれ以上
  • 再発の場合,およびCD4数<200/μLの場合での可能な長期抑制治療についてはコメント参照

(†:日本にない剤形)

第二選択

  • 合併症なし(非播種性)の感染:CAM 500mg経口1日2回・3カ月以上
  • 再発についてはコメント参照.

治療期間/抗微生物薬適正使用

治療期間
  • 上記処方参照.
抗微生物薬適正使用
  • 注:次の薬剤は使用しない;ST,CPFX,ペニシリン,セファロスポリン.

コメント

  • 治療開始後48時間以内にJarisch-Herxheimer反応が起こることがある.
  • HIVに対する抗レトロウイルス療法が成功し(ウイルス量の持続的抑制),3~4ヵ月の最初のBartonella治療の後は,CD4数に関わらず治療を中止し,再発の有無を観察する.再発がなければ,抑制療法は不要.
  • 再発したら,上記のようなEM,DOXYによる治療を再開.最低3カ月治療し,CD4数が200を下回っていれば抑制治療として継続.HIVウイルス抑制がなされてCD4数>200が6ヵ月続けば抑制治療をやめても安全.
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2026/04/13