日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ゲンボイヤ(EVG/Cobi/FTC/TAF)  (2024/10/15 更新)
主な商品名:ゲンボイヤ

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
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Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人
  3. 小児
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人

 3. 小児

用量(生後>28日)
体重14~<25kg:データが乏しく,研究が進行中
体重≧25kg:1錠24時間ごと
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
EVG:12.9
Cobi:3~4
FTC:10
TAF:0.51
半減期(時間)(ESRD)
EVG:データなし
Cobi:データなし
FTC:>10
TAF:データなし
用量(腎機能正常)
1錠経口24時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl≧30:1錠24時間ごと
CrCl<30:使用しない
血液透析
使用しない
CAPD
使用しない
CRRT
使用しない
SLED
使用しない

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

HIV

4. 薬理学

分類
INSTI+Cobi(作用増強)+ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NRTI)2剤
剤形
錠:EVG 150mg+Cobi 150mg+FTC 200mg+TAF 10mg
経口剤の投与のタイミング1
錠:食事とともに服用
経口吸収率(%)
EVG:データなし
Cobi:データなし
FTC:データなし
TAF:データなし
Tmax(時間)
EVG:4
Cobi:3
FTC:3
TAF:1
最高血清濃度2(μg/mL)
EVG:2.1(150mg24時間ごと,SS)
Cobi:1.5(150mg24時間ごと,SS)
FTC:2.1(200mg24時間ごと,SS)
TAF:0.16(10mg24時間ごと,SS)
TDF:0.02(10mg24時間ごと,SS)
蛋白結合(%)
EVG:約99
Cobi:約98
FTC:<4
TAF:約80
分布容積3(Vd)
EVG:データなし
Cobi:データなし
FTC:データなし
TAF:データなし
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
EVG:12.9
Cobi:3.5
FTC:10
TAF:0.51
排泄
EVG:代謝
Cobi:代謝
FTC:腎
TAF:代謝
細胞内半減期(時間)
EVG:データなし
Cobi:データなし
FTC:39
TAF:データなし
脳脊髄液/血液5(%)
EVG:データなし
Cobi:データなし
FTC:データなし
TAF:データなし
中枢神経系移行効果(CPE)6
EVG:データなし
Cobi:データなし
FTC:3
TAF:データなし
AUC7(μg・時間/mL)
EVG:22.8(150mg24時間ごと,0~24時間)
Cobi:9.5(150mg24時間ごと,0~24時間)
FTC:11.7(200mg24時間ごと,0~24時間)
TAF:0.21(10mg24時間ごと,0~24時間)
TDF:0.29(10mg24時間ごと,0~24時間)

TDF:テノホビルジソプロキシル

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 炎症時における脳脊髄液濃度
  6. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  7. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CY450の基質
CYP3A4
トランスポーターの基質
UGT1A1/3
CYP450の阻害

トランスポーターの阻害
PGP(弱い)
CYP450誘導
2C9(弱い)
トランスポーターの誘導
  
血清中薬物濃度への影響
軽度↑または↓

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
Alfuzosin
Alfuzosin↑
禁忌
制酸薬
EVG↓
投与間隔を4時間あける
抗不整脈薬
抗不整脈薬↑
モニター
アトルバスタチン
アトルバスタチン↑
モニター,用量を慎重に調整
β遮断薬
β遮断薬↑
モニター,用量調整を考慮
ボセンタン
ボセンタン↑
ボセンタンの用量を調整
ブプレノルフィン
ブプレノルフィン↑
モニター
Buspirone
Buspirone↑
モニター,用量調整
Ca拮抗薬
Ca拮抗薬↑
モニター
Caサプリメント
EVG↓
投与間隔を4時間あける
カルバマゼピン
EVG↓, Cobi↓, TAF↓
禁忌
クラリスロマイシン
クラリスロマイシン↑,Cobi↑
クラリスロマイシンの用量を調整
コルヒチン
コルヒチン↑
コルヒチンの用量を調整するか,避ける
コルチコステロイド(デキサメタゾン以外)
コルチコステロイド(ベクロメタゾン以外)↑
モニター,ベクロメタゾンを考慮
シクロスポリン
シクロスポリン↑,EVG↑,Cobi↑
モニター
デキサメタゾン
デキサメタゾン↑
EVG↓,Cobi↓
併用を避ける
ジアゼパム
ジアゼパム↑
モニター
ジゴキシン
ジゴキシン↑
モニター
ドロスピレノン
ドロスピレノン↑
モニター
エプレレノン
エプレレノン↑
禁忌
麦角誘導体
麦角誘導体↑
禁忌
エチニルエストラジオール
エチニルエストラジオール↑
モニター
エトスクシミド
エトスクシミド↑
EVG↓,Cobi↓,TAF↓
モニター
ホルモン避妊薬
エチニルエストラジオール↓, プロゲステロン↑
ホルモン製剤以外の避妊法を用いる
イトラコナゾール
イトラコナゾール↑,EVG↑,Cobi↑
イトラコナゾールの用量を200mg1日1回までとする
ケトコナゾール
ケトコナゾール↑,EVG↑,Cobi↑
ケトコナゾールの用量を200mg1日1回までとする
ロバスタチン
ロバスタチン↑
禁忌
ルラシドン
ルラシドン↑
禁忌
ミダゾラム(静注)
ミダゾラム↑
モニター,ミダゾラムの用量を調整
ミダゾラム(経口)
ミダゾラム↑
禁忌
ナロキソン
ナロキソン↓
モニター
Oxcarbamazepine
影響は不明
併用を避ける
ペルフェナジン
ペルフェナジン↑
ペルフェナジンの用量を調整
フェノバルビタール
EVG↓,Cobi↓,TAF↓
禁忌
フェニトイン
EVG↓,Cobi↓,TAF↓
禁忌
ピモジド
ピモジド↑
禁忌
クエチアピン
クエチアピン↑
クエチアピンの用量を調整,または避ける
リファブチン
EVG↓,Cobi↓,TAF↓
併用を避ける
リファンピシン
EVG↓,Cobi↓,TAF↓
禁忌
Rifapentine
EVG↓,Cobi↓,TAF↓
併用を避ける
リスペリドン
リスペリドン↑
リスペリドンの用量を調整
サルメテロール
サルメテロール↑
併用を避ける
シルデナフィル(EDに対して)
シルデナフィル↑
モニター
シルデナフィル(肺動脈性肺高血圧症に対して)
シルデナフィル↑
禁忌
シンバスタチン
シンバスタチン↑
禁忌
シロリムス
シロリムス↑
モニター
SSRI(セルトラリン以外)
SSRI↑
モニター,用量調整
セイヨウオトギリソウ
EVG↓,Cobi↓,TAF↓
禁忌
タクロリムス
タクロリムス↑
モニター
タダラフィル(肺動脈性肺高血圧症に対して)
タダラフィル↑
タダラフィルの用量を調整
Thioridazine
Thioridazine↑
Thioridazineの用量を調整
トラゾドン
トラゾドン↑
モニター,用量調整
トリアゾラム
トリアゾラム↑
禁忌
三環系抗うつ薬(TCA)
TCA↑
モニター,用量調整
バルデナフィル(EDに対して)
バルデナフィル↑
モニター
ボリコナゾール
ボリコナゾール↑,EVG↑,Cobi↑
併用を避ける
ワルファリン
影響は不明
INRをモニター
ゾルピデム
ゾルピデム↑
モニター,用量調整
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2024/10/15