日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

プラジカンテル  (2024/09/10 更新)
主な商品名:ビルトリシド

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
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Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 薬理学
4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

住血吸虫症
Schistosoma mansoniS. haematobiumS. intercalatum
40mg/kg経口・1回または同じ日に2回
S. japonicum
60mg/kg経口・同じ日に2回または3回
肝吸虫
C. sinensisO.viverriniO. felineusM. conjunctus
25mg/kg経口1日3回・2日(小児用量も同じ).F.hapaticaおよびF.gigantaには無効.Triclabendazoleを使用.
肺吸虫
Paragonimus属(すべての属)
25mg/kg経口1日3回・2日
腸管吸虫
F. buskiH. heterophyesEchinostoma属,M. yokogawaiN. salmincola
25mg/kg経口1日3回・1日
条虫
Taenia soliumT. saginataDibothriocephalus latus(=Diphyllobothrium latum),成虫条虫の感染
5~10mg/kg経口1回(成人,小児とも同量)
ラット(H. diminuta),ヒト条虫(H. nana
25mg/kg経口1回(成人,小児とも同量),10日内に繰り返す
ヒトに感染する幼条虫
Echinococcus granulosus
自然発生的または手技中の囊胞破裂に対してはアルベンダゾール/プラジカンテル併用治療.無傷な囊胞に対する治療としては,アルベンダゾール/プラジカンテル併用は現在臨床試験中.用量は未決定.
幼生T. soliumによる脳(神経)嚢虫症
特定の症状に体しては,50mg/kg/日・15日・アルベンダゾールおよびステロイド併用.疾患のページを参照
まれにヒトに感染するさまざまな人獣共通条虫(弧虫症など)
使用の症例報告のみ.経験的処方

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
>4歳なら成人と同じ用量.<4歳へのFDAの適応はなし.大規模予防キャンペーンにおいて,4歳未満では害はなかった.
最大/日
  

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
0.8~1.5
半減期(時間)(ESRD)
変化なし
用量(腎機能正常)
適応により異なる
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
用量調整不要
CAPD
用量調整不要
CRRT
用量調整不要
SLED
データなし

肝障害患者では用量調整が必要になることがある.

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 薬理学

PK/PD指標
データなし
剤形
600mg錠
食事に関する推奨(経口薬)1
錠剤を食事とともに
経口吸収率(%)
80~100
Tmax(時間)
1~3
最高血清濃度2(μg/mL)
0.83(40mg/kg SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
1~3
蛋白結合(%)
約80
分布容積8(Vd)
8000 L (V/F)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
0.8~1.5
排泄
代謝
胆汁排泄5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
10~20
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
3.02(40mg/kg経口 0-inf)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後 SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve

4. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CY450の基質
3A4
トランスポーターの基質
  
CYP450の阻害
  
トランスポーターの阻害
  
CYP450誘導
  
トランスポーターの誘導
  
血清中薬物濃度への影響
  

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下,空白:薬物への影響なし

5. 主要な薬物相互作用

6. コメント

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2024/09/09