日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Kingella kingae  (2024/08/20 更新)


臨床状況

  • 以下の鑑別診断を考慮すること:
  • 血行性骨髄炎
  • 菌血症
  • 感染性心内膜炎:心内膜炎の原因菌である緩徐な発育をする培養困難なグラム陰性菌で,HACEKの1つ(Microorganisms 12: 164, 2024).
  • 治療:
  • in vitroでセファロスポリン系,アミノグリコシド系,ST,テトラサイクリン系,フルオロキノロン系に感受性あり.
  • 小児ではセファロスポリン系による治療が好ましい.
  • VCM,CLDM,Oxacillin,Nafcillinには耐性が予想される.

診断/分類

診断
  • 血液寒天培地またはチョコレート寒天培地での培養による.増殖は遅い.
分類
  • グラム陰性球桿菌

第一選択

  • まれな菌種であるため,通常,化膿性関節炎や骨髄炎の小児に対する経験的治療の選択でKingella属が考慮されることはない.
  • 血行性骨髄炎の患児が,S. aureusを想定した経験的治療(たとえばVCM)に反応しない場合は,CEZまたはCTRXを経験的に,あるいは培養結果を待つ間に追加するのは合理的である.
  • テトラサイクリン系およびフルオロキノロン系は8歳未満の小児では避ける.
  • 現在では米国小児科学会は,DOXYは21日治療までは安全としている.
  • 成人の心内膜炎の治療は,CTRX±低用量アミノグリコシド系薬(併用に関しては理論的データのみ).

第二選択

  • 4歳未満の小児でβラクタム系にアレルギーの場合には,STを考慮すること.
  • 心内膜炎の成人患者でβラクタム系にアレルギーの場合には,in vitroの感受性試験に基づき,LVFXによる治療を考慮してもよい.臨床データはない.

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2024/08/19