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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
Kingella kingae
(
2024/08/20 更新
)
臨床状況
以下の鑑別診断を考慮すること:
化膿性関節炎,特に低年齢の小児に多い(
Clin Infect Dis 67: 1951, 2018
).ヨーロッパでは,生後6~48カ月の小児の化膿性関節炎/骨髄炎の原因として,
Kingella
属がもっとも多いとの報告がある(
Pediatrics 144: e20191509, 2019
;
Pediatr Infect Dis J 40: 623, 2021
).
血行性骨髄炎
菌血症
感染性心内膜炎:心内膜炎の原因菌である緩徐な発育をする培養困難なグラム陰性菌で,HACEKの1つ(
Microorganisms 12: 164, 2024
).
治療:
in vitroでセファロスポリン系,アミノグリコシド系,ST,テトラサイクリン系,フルオロキノロン系に感受性あり.
小児ではセファロスポリン系による治療が好ましい.
VCM,CLDM,Oxacillin,Nafcillinには耐性が予想される.
診断/分類
診断
血液寒天培地またはチョコレート寒天培地での培養による.増殖は遅い.
分類
グラム陰性球桿菌
第一選択
まれな菌種であるため,通常,化膿性関節炎や骨髄炎の小児に対する経験的治療の選択で
Kingella
属が考慮されることはない.
血行性骨髄炎の患児が,
S. aureus
を想定した経験的治療(たとえばVCM)に反応しない場合は,
CEZ
または
CTRX
を経験的に,あるいは培養結果を待つ間に追加するのは合理的である.
テトラサイクリン系およびフルオロキノロン系は8歳未満の小児では避ける.
現在では米国小児科学会は,DOXYは21日治療までは安全としている.
成人の心内膜炎の治療は,
CTRX
±低用量アミノグリコシド系薬(併用に関しては理論的データのみ).
第二選択
4歳未満の小児でβラクタム系にアレルギーの場合には,
ST
を考慮すること.
心内膜炎の成人患者でβラクタム系にアレルギーの場合には,in vitroの感受性試験に基づき,
LVFX
による治療を考慮してもよい.臨床データはない.
コメント
血行性骨髄炎(小児)に関する文献:
N Engl J Med 370: 352, 2014
.治療についての総説:
Pharmacotherapy 38: 947, 2018
.
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2024/08/19