日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

水痘・帯状疱疹ウイルス-水痘  (2026/02/10 更新)


臨床状況

  • 感染伝播:非常に広がりやすい,鼻咽頭からのエアロゾル飛沫を介して伝播する
  • 潜伏期間:10~21日
  • 臨床における症候群(年長青年および成人でより重症):
  • 水痘
  • 播種性水痘・帯状疱疹/臓器病変
  • 最近のデータによれば,VZVは脳動脈,側頭動脈,その他の動脈の血管症を引き起こす可能性がある.さらに巨細胞性動脈炎の原因となる可能性もある.治療も考慮されるが,さらなるデータが必要である.文献:Neurology 84: 1948, 2015J Infect Dis 212(Suppl 1): S37, 2015

病原体

  • 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)

第一選択

免疫正常者,水ぼうそう
  • 小児では,軽度~中等度は治療をしないのも1つの選択肢.
  • 中等症から重症の水痘のリスクが大きい患者(たとえば慢性の皮膚病変または肺病変をもつ患者,長くサリチル酸治療している患者[ライ症候群の危険性が増加])には,バラシクロビル 20mg/kg経口1日3回,またはアシクロビル 20mg/kg経口1日4回・5日(発疹出現24時間以内に開始)
  • アシクロビル 800mg経口1日5回・5~7日(発疹出現24時間以内に開始)
  • 小児・年齢2~12歳
  • 青少年,若年成人
  • 妊婦(妊娠第3期),肺炎(曝露後予防:下記参照)
免疫不全患者
  • アシクロビル 10~12mg/kg(500mg/m2)静注(1時間以上かけて)8時間ごと・7日

(▼:FDA未承認)

第二選択

  • なし

予防

  • ワクチンの適応,使用可能な製剤,用量,曝露前および曝露後予防に関するワクチンの特徴については,水痘ワクチンを参照.
  • 予防,曝露後予防
  • 免疫のない人が曝露を受けた場合は全例ワクチン接種を行う.状況によってはVZIGが必要になることもある.
  • 妊婦(特に妊娠後期:第3期),早産児,およびVZVに曝露した免疫不全の小児/成人で,免疫のエビデンスがない(ワクチン接種歴がない,または血清学的検査陰性)場合は,水痘帯状疱疹免疫グロブリン(VARZIG)125単位/10kg(最大625単位)を筋注する.理想的には曝露後96時間以内に投与するが,曝露後10日間まで有効である(PLoS One 14: e0217749, 2019

コメント

  • 小児では,アシクロビルにより進行が遅くなったり,新しい病変の数が減少したり,罹病期間が9.0日から7.6日に短縮する(Pediatr Infect Dis J 21: 739, 2002).小児におけるアシクロビルの経口用量は,80mg/kg/日または3200mg/日を超えないこと.アシクロビル投与で発熱期間,治癒までの期間が短縮し症状が軽減する(Ann Intern Med 130: 922, 1999).
  • 妊婦での水痘肺炎の死亡率は41%.アシクロビルにより発症率,重症度は低下する(J Infect Dis 185: 422, 2002).水痘の感染の既往のない母親で,曝露後10日以内に呼吸器症状が出現したらアシクロビル静注開始.
  • 複数の新薬が開発中である:FV-100(二環性ヌクレオシド),ASP2151(ヘリカーゼ/プライマーゼ抑制薬),valomaciclovir(非環状グアノシンH2Gプロドラッグ).総説(Adv Pharmacol 67: 107, 2013).
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2026/02/09