false
日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
水痘・帯状疱疹ウイルス-水痘
(
2026/02/10 更新
)
臨床状況
ワクチン接種により,水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)感染とそれに関連する死亡率が著明に減少した(
N Engl J Med 352: 450, 2005
;
N Engl J Med 356: 1338, 2007
).
水痘ワクチンのガイドライン
(CDC)
ワクチン接種スケジュール(CDC):
成人,年齢7~8歳の小児,年齢0~6歳の小児
感染伝播:非常に広がりやすい,鼻咽頭からのエアロゾル飛沫を介して伝播する
潜伏期間:10~21日
臨床における症候群(年長青年および成人でより重症):
水痘
帯状疱疹(1個のデルマトームまたは複数のデルマトーム).
水痘・帯状疱疹ウイルス-帯状疱疹
も参照.
播種性水痘・帯状疱疹/臓器病変
最近のデータによれば,VZVは脳動脈,側頭動脈,その他の動脈の血管症を引き起こす可能性がある.さらに巨細胞性動脈炎の原因となる可能性もある.治療も考慮されるが,さらなるデータが必要である.文献:
Neurology 84: 1948, 2015
;
J Infect Dis 212(Suppl 1): S37, 2015
.
病原体
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
第一選択
免疫正常者,水ぼうそう
小児では,軽度~中等度は治療をしないのも1つの選択肢.
中等症から重症の水痘のリスクが大きい患者(たとえば慢性の皮膚病変または肺病変をもつ患者,長くサリチル酸治療している患者[ライ症候群の危険性が増加])には,
バラシクロビル
20mg/kg経口1日3回,または
アシクロビル
20mg/kg経口1日4回・5日(発疹出現24時間以内に開始)
アシクロビル
800mg経口1日5回・5~7日(発疹出現24時間以内に開始)
バラシクロビル
▼
1000mg経口1日3回・5~7日
ファムシクロビル
▼
500mg経口1日3回(おそらく効果があると思われるが,データがない)
アシクロビル
800mg経口1日5回または10mg/kg静注8時間ごと・5日
小児・年齢2~12歳
青少年,若年成人
妊婦(妊娠第3期),肺炎(曝露後予防:下記参照)
免疫不全患者
アシクロビル
10~12mg/kg(500mg/m
2
)静注(1時間以上かけて)8時間ごと・7日
(▼:FDA未承認)
第二選択
なし
予防
ワクチンの適応,使用可能な製剤,用量,曝露前および曝露後予防に関するワクチンの特徴については,
水痘ワクチン
を参照.
予防,曝露後予防
免疫のない人が曝露を受けた場合は全例ワクチン接種を行う.状況によってはVZIGが必要になることもある.
妊婦(特に妊娠後期:第3期),早産児,およびVZVに曝露した免疫不全の小児/成人で,免疫のエビデンスがない(ワクチン接種歴がない,または血清学的検査陰性)場合は,水痘帯状疱疹免疫グロブリン(VARZIG)125単位/10kg(最大625単位)を筋注する.理想的には曝露後96時間以内に投与するが,曝露後10日間まで有効である(
PLoS One 14: e0217749, 2019
)
コメント
小児では,アシクロビルにより進行が遅くなったり,新しい病変の数が減少したり,罹病期間が9.0日から7.6日に短縮する(
Pediatr Infect Dis J 21: 739, 2002
).小児におけるアシクロビルの経口用量は,80mg/kg/日または3200mg/日を超えないこと.アシクロビル投与で発熱期間,治癒までの期間が短縮し症状が軽減する(
Ann Intern Med 130: 922, 1999
).
妊婦での水痘肺炎の死亡率は41%.アシクロビルにより発症率,重症度は低下する(
J Infect Dis 185: 422, 2002
).水痘の感染の既往のない母親で,曝露後10日以内に呼吸器症状が出現したらアシクロビル静注開始.
免疫不全患者.インフリキシマブによる関節リウマチ治療中に播種性原発性水痘感染の報告あり(
J Rheumatol 31: 2517, 2004
).
重度の出血性水痘患者1例で高用量アシクロビル(2mg/kg/時)持続静注が有効(
N Engl J Med 336: 732, 1997
).AIDS患者の死亡率は高い(43%)(
Int J Inf Dis 6: 6, 2002
).
治療に関する総説:
Molecules 26: 1132, 2021
.
複数の新薬が開発中である:FV-100(二環性ヌクレオシド),ASP2151(ヘリカーゼ/プライマーゼ抑制薬),valomaciclovir(非環状グアノシンH2Gプロドラッグ).総説(
Adv Pharmacol 67: 107, 2013
).
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2026 Life Science Publishing
↑ page top
2026/02/09