日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

バラシクロビル  (2024/09/17 更新)
主な商品名:バルトレックス

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

免疫正常者
口腔ヘルペス(非HIV)(口唇ヘルペス,単純ヘルペス)
2g経口1日2回・1日
性器ヘルペス(非HIV)
初発
1000mg経口1日2回・7~10日
再発
500mg経口1日2回・3日,または
1000mg経口1日1回・5日
長期抑制
1000mg経口24時間ごと
VZV(帯状疱疹)(非HIV)
1000mg経口1日3回・7~10日
免疫不全患者(HIV)
性器ヘルペス
再発
1000mg経口1日2回・5~10日
長期抑制(HIV)
500mg経口1日2回

 3. 小児用量

  
用量(生後>28日)
最大/日
口腔ヘルペス
年齢12歳以上:2g12時間ごと・1日

VZV(水痘)
2~18歳:60mg/kg/日(8時間ごとに分割)5日
3g

即時調整経口溶液を使用

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
3
半減期(時間)(ESRD)
14
用量(腎機能正常)
適応により異なる
CrClまたはeGFR
口唇ヘルペス:
CrCl≧50:2g12時間ごと・2回
CrCl 30~49:1g12時間ごと・2回
CrCl 10~29:500mg12時間ごと・2回
CrCl<10:500mg 1回
性器ヘルペス,初発:
CrCl≧50:1g12時間ごと
CrCl 30~49:用量調整不要
CrCl 10~29:1g24時間ごと
CrCl<10:500mg24時間ごと
性器ヘルペス再発:
CrCl≧50:500mg12時間ごと
CrCl 30~49:用量調整不要
CrCl 10~29:500mg24時間ごと
CrCl <10:500mg24時間ごと
性器ヘルペス抑制:
CrCl≧50:1g24時間ごと
CrCl 30~49:用量調整不要
CrCl 10~29:500mg24時間ごと
CrCl<10:500mg24時間ごと
性器ヘルペス抑制,HIV感染患者:
CrCl≧50:500mg12時間ごと
CrCl 30~49:用量調整不要
CrCl 10~29:500mg24時間ごと
CrCl<10:500mg24時間ごと
帯状疱疹:
CrCl≧50:1g8時間ごと
CrCl 30~49:1g12時間ごと
CrCl 10~29:1g24時間ごと
CrCl<10:500mg24時間ごと
血液透析
500mg24時間ごと(透析日は透析後投与)
CAPD
500mg24時間ごと
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

データなし

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
データなし
剤形
錠(500mg,1000mg†)
食事に関する推奨(経口薬)1
錠:食事の影響なし
経口吸収率(%)
55
Tmax(時間)
データなし
最高血清濃度2(μg/mL)
5.6(1g経口,SD)
(アシクロビル)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
9~33
(アシクロビル)
分布容積3(Vd)
0.7 L/kg
(アシクロビル)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
2.5~3.2
(アシクロビル)
排泄
腎:ろ過,分泌
(アシクロビル)
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
19.5(1g経口,0~inf)
(アシクロビル)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CY450の基質
  
トランスポーターの基質
OAT1,OAT3
CYP450の阻害
  
トランスポーターの阻害
  
CYP450誘導
  
トランスポーターの誘導
  
血清中薬物濃度への影響
予測される影響なし

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下,空白:薬物への影響なし

6. 主要な薬物相互作用

報告なし

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2024/09/17