日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

結核-肺結核-INHまたはRFP耐性菌  (2025/08/12 更新)
単独耐性のM. tuberculosis,RFPにのみ耐性,RFP耐性分離株


臨床状況

  • INHまたはRFPに単独耐性(mono-resistant)のM. tuberculosisで,両方に耐性ではなく,他の1st-line薬剤には感受性がある.
  • RFP耐性の分離株はまれで,多剤耐性の重要なマーカーであるため,他の1st-line薬剤への感受性を確認すること.
  • PZAだけに耐性の株はまれ.その場合はMycobacterium bovis感染の可能性が高い.

病原体

  • Mycobacterium tuberculosis

第一選択

  • INH耐性菌
  • RFPPZAEBLVFX 750mg経口24時間ごと,またはMFLX 400mg経口24時間ごと
  • 重症でない患者,またはPZAに不耐な患者では,フルオロキノロン系を追加し,PZAの治療期間を短縮してもよい.
  • 4剤併用処方中のLVFXまたはMFLXに忍容性が低い患者では,RFPPZAEBを用いてもよい.
  • 6カ月間治療(空洞病変がある場合や,2カ月後も培養陽性の場合は9カ月に延長)
  • RFP耐性菌(RFPにのみ耐性の例はまれであり,RFP耐性であれば通常は多剤耐性[INHおよびRFPに耐性])

第二選択

  • なし

コメント

  • INH耐性結核の治療でINHを持続することに有用性はない.
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2025/08/12