日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

結核-肺結核-INHまたはRFP耐性菌  (2023/04/25 更新)
単独耐性のM. tuberculosis,RFPにのみ耐性,RFP耐性分離株


臨床状況

  • INHまたはRFPに単独耐性(mono-resistant)のM. tuberculosisで,両方に耐性ではなく,他の1st-line薬剤には感受性がある.
  • RFP耐性の分離株はまれで,多剤耐性の重要なマーカーであるため,他の1st-line薬剤への感受性を確認すること.
  • PZAだけに耐性の株はまれ.その場合はMycobacterium bovis感染の可能性が高い.

病原体

  • Mycobacterium tuberculosis

第一選択

  • INH耐性菌
  • RFPPZAEBLVFX 750mg経口24時間ごと,またはMFLX 400mg経口24時間ごと
  • 重症でない患者,またはPZAに不耐な患者では,フルオロキノロン系を追加し,PZAの治療期間を短縮してもよい.
  • 4剤併用処方中のLVFXまたはMFLXに忍容性が低い患者では,RFPPZAEBを用いてもよい.
  • 6カ月間治療(空洞病変がある場合や,2カ月後も培養陽性の場合は9カ月に延長)
  • RFP耐性菌(RFPにのみ耐性の例はまれであり,RFP耐性であれば通常は多剤耐性[INHおよびRFPに耐性])

第二選択

  • なし

コメント

  • INH耐性菌
  • INH耐性の場合はlNHを中止すること.薬剤感受性株とINH単剤耐性株では治療効果は同じ(Clin Infect Dis 48: 179, 2009).
  • RFP耐性菌
  • 小規模研究で,RFPのみに耐性の株による結核,または感受性株による結核だがRFPに不耐の患者に対する,RFPを含まない処方の治療結果について報告されている:Respir Med 131: 43, 2017
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2023/04/24